【画像】 朝鮮半島の課題を探る 恵泉女学園大学 キリスト教文化研究所シンポ 2008年11月8日

【画像】 朝鮮半島の課題を探る 恵泉女学園大学 キリスト教文化研究所シンポ 2008年11月8日

 恵泉女学園大学キリスト教文化研究所(李省展所長)は10月17日、同大学で「朝鮮半島とキリスト教――南北キリスト教の現状と課題」と題するシンポジウムを開催した。尹慶老(漢城大学総長)、金興洙(牧園大学教授・韓国基督教歴史研究所所長)、徐正敏(延世大学教授・明治学院大学招聘教授)の3氏がパネリストとして登壇し、森本あんり(国際基督教大学教授)、川島堅二(恵泉女学園大学教授)の両氏がコメンテーターとして応答した。
 尹氏は「大韓民国の社会とキリスト教――教会と国家を中心に」と題し、韓国の「教会と国家」をめぐる歴史を検証しながら、将来においてキリスト教が担うべき役割として「民族分断の克服と統一に尽力する」「外面の拡張から内面の成熟へと変わる教会になる」「物質主義(マモニズム)から脱する」の3点を挙げ、「誇るべきことだけでなく恥ずべきことも歴史化することが成熟した民族であり真実のキリスト者だと思う」と述べた。
 金氏は「北朝鮮キリスト教の変化」との題で、北朝鮮に教会が立てられるまでの経緯と背景を概観し、90年代以降の変化として「教会の活動領域が政治から経済に拡張されたこと」「キリスト教に触れた『脱北者』が再入国し地下教会を作ったこと」について解説した。また、「主体思想」とキリスト教の関わりについて「北朝鮮キリスト教の神学的立場は明らかになっていないが、人がすべての物事の主人でありすべての物事を決定するという主体思想の哲学的原理に影響されているように見える」と指摘した。
 「韓国社会のキリスト教認識――韓国におけるキリスト教の功罪」と題して発表した徐氏は、韓国のイデオロギー的な流れについて民族主義を背景として考察。「親キリスト教政権」の発足以後、中心的なキリスト教指導者らが既得権階層の一員となり、独裁や不正に関与したこと、「量的成長主義」により深刻な格差が生じたことなど、「輝かしい伝統」の裏にある負の側面について批判した。その上で、「民族社会からの信頼を回復するために誠実な自己省察と新しい模索が要求される」とし、具体的な改善策について提言した。

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