聖職者らが児童虐待 アイルランド 教会と政府が〝隠匿〟謝る 2009年12月12日
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【CJC=東京】アイルランド政府が11月26日、同国カトリック教会ダブリン大司教区の聖職者らによる児童虐待問題に関する調査報告書を発表した。
イボンヌ・マーフィー判事らがまとめた報告書は、1975年から2004年にかけて大司教区内の教会が運営する児童施設で子ども320人以上に行われたとされる虐待について調べたもの。聖職者46人も調査対象となった。
100人以上の子どもに性的虐待を行ったことを認めた聖職者、25年以上にわたり2週間に1回、子どもを虐待していたことを告白した聖職者もいる。
報告書は大司教が恒常的に児童虐待を行った聖職者をかばい、虐待の事実を知っていながら警察に通報しなかった、と結論付けている。
報告書発表の直後、同国政府は、教会を特別扱いし、明確な対応を取らなかったことについて「事件で国家が犯した過ちを謝罪する」とする声明を出した。
今年5月には、1930年代から、カトリック教会が運営する施設で子どもたちに対し、性的、肉体的、精神的な虐待が広く行われていたという事実を初めて明らかにした調査結果が発表されている。
カトリック系の孤児院、更生施設、障害者施設など200カ所以上で、800人を超す聖職者や修道女らが性的、肉体的、精神的虐待に関与した。証言者の90%以上が殴られたりけられたりしたほか、ムチや水、火を使った虐待を経験。半数が性的暴行を受けていた。
証言者の30%は現在もトラウマ(心的外傷)を抱え、自傷、うつ病、アルコール・薬物依存症などに悩まされている。
被害者にはすでに1人平均6万5千ユーロ(約850万円)の賠償金が政府から支払われている。
しかし報告書では加害者名は明らかにされておらず、刑事訴追の証拠にはならないとして、被害者や支援団体は激しく反発していた。
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英公営BBC放送によると、報告書の発表を受け、アイルランド・カトリック教会首座(アーマー)大司教ショーン・ブレイディ枢機卿は、虐待について教会が隠蔽してきたことを謝罪した。問題の聖職者は他教区に配置替えされたが、そこでも虐待をくり返したという。
また、アイルランド政府調査委員会が、バチカン(ローマ教皇庁)に、ダブリン大司教区から2006年に送った報告の詳細を明らかにするよう求めたにもかかわらず、バチカンはそれに答えず、逆にアイルランド外務省に「要請は正当な外交経路を通じたものではない」と伝えていたことも明らかになった。同委員会は政府から独立しており、「情報を得るために外交経路を利用することは適当でないと見なしていた」という。
07年2月、委員会は駐アイルランド教皇使節に、所持している関連記録をすべて提出するよう、またそのような記録を保持しているか確認を求めたが、使節からの回答はなかった。
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ダブリン北部のオーグリム・ストリートのカトリック教会では29日のミサで、マーティン大司教の謝罪文が読み上げられたが、その際に身元不詳の女性が「小児愛者を連れてローマに戻れ」と叫んだ、と現地紙アイリッシュ・タイムズが報じた。その女性は、神は人々の心の中におられ、教会堂の中にはいない、と述べアメイジング・グレイスを歌ってから立ち去ったという。
被害者たちは、政府がダブリン大司教区を対象に行なったのと同様の調査をアイルランドの全教区で行うよう呼びかけている。しかし同司教区のイーモン・ウォルシュ補佐司教は、「そんなことは考えられない」としている。教会にとっては、子どもたちを守る方法の改善に「時間、エネルギー、カネ」を使う方が良い、と語った。
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