R・ボーレン教授が死去 ドイツの実践神学者『説教学』など著作多数 2010年2月20日

 第二次大戦後のドイツの代表的実践神学者ルードルフ・ボーレン氏が2月1日、ハイデルベルク近郊のドッセンハイムの自宅で死去した。89歳。ボーレン氏は1920年、スイスアルプスの名峰アイガー山麓の村グリンデルヴァルトの村長の子として生まれ、バーゼル大学でカール・バルト、エードゥアルト・トゥルンアイゼンに教えを受け、オスカー・クルマンの下で新約学の学位を取得。スイスで農村教会の牧師をした後、ドイツのヴッパータール神学大学、ベルリン神学大学を経て74~87年、ハイデルベルク大学で実践神学教授を務めた。著書は『説教学』『聖霊論的思考と実践』『祝福を告げる言葉』『キリストの臨在を告げる言葉』『日本の友へ――待ちつつ速めつつ』など多数。

親交のあった加藤常昭氏(説教塾主宰)の話
 若い時は絵画もよくし、またスイス有数の詩人の一人としても高く評価された人です。神の言葉の神学の立場を明確にし、ドイツ語圏の実践神学の指導者として牧師、神学教授たちの間に多くの感化を残しました。
 1965年、教授が45歳であった時、ベルリンのゴルヴィツァー教授の推薦でわたしは教授に招かれ、助手となり、主著『説教学』の著述を手伝いました。その後、今日に至るまで親交を深めてまいりました。『説教学』(2巻)、名著『天水桶の深みにて』その他、訳書がいくつもあります。
 来日は3回に及び、日本の教会を愛し、説教塾をはじめ多くの牧師たち、教会員に愛される存在でありました。日本文化をも愛し、興味溢れる書物『源氏物語と神学者』を遺されました。長寿を全うしたとはいえ、最後まで日本に対する愛を失わなかったこの人を今喪ったのは、やはり寂しく、悲しいことです。
 現代社会が語るべき言葉を失い、こころの病を深めつつあることを憂い、神の言葉と聖なる霊の現実に生きることを身をもって示し、説教に、魂への配慮に打ち込んだ先生の歩みをなお継承したいと改めて願います。日本のキリストの教会がなお聴き続けるべき言葉を遺してくれました。ハイデルベルク大学で行った講義を順次刊行中でした。またカルヴァンの祈りに自分の祈りを添えた美しい書物が最後の著書となりましたが、現在翻訳中です。
 ファーストネームで呼び合う文字通り親友でもあった恩師の逝去です。

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