【画像】 青学・小原信氏が司会 世田谷区主催シンポ 「看取り」のあり方模索 2010年3月6日

【画像】 青学・小原信氏が司会 世田谷区主催シンポ 「看取り」のあり方模索 2010年3月6日

 「看取りシンポジウム――家族とともに高齢者の安らかな旅立ちを看取りたい」が2月13日、東京都世田谷区の烏山区民会館ホールで開催され、約200人が参加した(世田谷区立特別養護老人ホーム芦花ホームと同区共催)=写真。
 常勤の医師を配置する同ホームは、人生の最期を病院ではなく医師が常駐した特別養護老人ホームで迎えることの意義を訴え、施設での看取りについて多方面から意見を募るために今回のシンポジウムを企画した。
 最初に朝日新聞編集委員の出河雅彦氏が「高齢者医療・終末期医療――メディアから見た課題」と題して講演。同氏は医療制度改革について、単に「病院の死亡」を減らし「在宅の死亡」の割合を増やすことで医療費の削減を図るのではなく、家族や患者が安心できる体制作りが必要だと主張。高齢者の終末期の実像について情報共有することで、自分が望む最期を迎えるための仕組みや制度を考えていかなければならないと訴えた。
 続くパネルディスカッションでは、『いのちの継承』(新教新書)、『自分史心得帖』(教文館)などの著者であり、実存的な「倫理学」に取り組む小原信氏(青山学院大学名誉教授)が総合司会を務めた。
 出河氏に加え、黒田和夫(横浜ランドマーク法律事務所弁護士)、川崎千鶴子(特別養護老人ホームみずべの苑施設長)、石飛幸三(芦花ホーム医師)の各氏が議論に参加した。
 小原氏は、介護は継続性を必要とする作業であると述べ、「医学がハイテク化してキカイに依存して、『人工呼吸器』や『胃瘻(いろう)』などの装置の扱いに困惑させられる。しかし、病むこと、ケアを受けることは、だれにも来る自然現象であり、その人の欠陥でないと、やさしくつつむ配慮が必要だ」と語った。また、ケアをする人が「燃え尽き」ないよう、介護者が適切な休養をとれる仕組みを工夫すべきだと提言した。
 パネリストからは、「現場の具体例の検証が必要」(黒田氏)、「無理に食べさせるより、家族と共に考え、本人に寄り添うことが施設で目指しているケア」(川崎氏)、「延命を希望する家族の思いも自然なもの」(石飛氏)、「医療行為の本人以外の同意に関して議論を進める必要がある」(出河氏)などの意見が出された。

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