最高裁 〝「玻」は常用平易ではない〟 矢藤さんの抗告棄却 2010年4月24日

 娘に名付けた「玻」の字が「人名用漢字ではない」として出生届を受理されなかったことに対し、両親が不服を申し立てた審判の特別抗告(本紙2009年12月5日付で既報)で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は4月7日付で、「社会通念上、常用平易な文字とはいえない」として申し立てを退けた名古屋高裁の判断を支持し、抗告を棄却する決定を下した。
 最高裁に抗告していたのは、医師の矢藤仁さん、清恵さん夫妻(名古屋市東区)。2008年に生まれた次女に、サムエル記上(2・1~10)のハンナから「みんなに囲まれ温かい家庭に送られた宝物」との意味も込めて「玻南」(はな)と名付け、出生届を出したが不受理となった。矢藤さんには他に4人の子どもがおり、いずれも聖書から命名している。
 今回の抗告にあたっては、「曽」の文字をめぐる03年の判決で、「平易な文字」の範囲は「時代の推移、国民意識の変化などで変わる」と判断されたことを基に、ネットや新聞を通じて意見を求めた。
 戸籍法は「子どもの名前には常用平易な文字を用いなければならない」と規定。常用漢字以外に使用可能な人名用漢字は同法施行規則に列挙されているが、「玻」の字は含まれていない。人名用漢字についてはこれまで、「曽」のほかにも、「琉」「獅」などが司法判断により追加されている。
 決定を受けて清恵さんは、「残念な結果ではありますが、これでひと段落着きました。これ以上出生届を遅らせる必要はありませんので、早速『矢藤はな』で届けを行い、日常生活ではこれまでどおり、『矢藤玻南』を通名として使用していきます」としている。

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