【画像】 「反戦・平和」で積極的に行動 カトリック・井上ひさしさん死去 2010年4月24日

【画像】 「反戦・平和」で積極的に行動 カトリック・井上ひさしさん死去 2010年4月24日

 劇作家、作家で文化功労者の井上ひさし(本名・廈=ひさし)さんが4月9日午後10時22分、肺がんのため、神奈川県鎌倉市の自宅で逝去した。75歳。入院先から帰宅した9日夕方、容体が急変した。
 11日夕から自宅で親族の通夜が営まれ、近親者20人が参列した。葬儀は12日、近親者だけで行った。喪主は妻ユリさん。
 井上さんは1934年11月17日、山形県川西町生まれ。5歳で父親と死別、生活困難から幼いころカトリック修道会ラ・サール会の孤児院(現在の児童養護施設)「光が丘天使園」に預けられ洗礼を受ける。洗礼名、マリア・ヨゼフ。
 上智大学外国語学部フランス語学科在学中から放送作家として活動を始め、卒業後は放送作家として活動。山元護久氏と共に『ひょっこりひょうたん島』を手がけ、その後「ネコジャラ市の11人」が放送され、71年、第6回斎田喬戯曲賞 を受けた。72年「道元の冒険」で第17回岸田國士戯曲賞や芸術選奨新人賞を受賞。72年『手鎖心中』で第67回直木賞を受賞。
 81年には、東北の村が突然独立する奇想天外なスートリーを描いた 「吉里吉里人」が第2回日本SF大賞・読売文学賞など数々の文学賞を受賞した。
  83年、自作の戯曲のみを専門に上演する劇団「こまつ座」を旗揚げ、座付き作家となる。84年、『頭痛肩こり樋口一葉』で旗揚げ公演し、代表作に86年「国語元年」、94年「父と暮せば」などがあり、今年2月に上演された「シャンハイムーン」が第89回公演であった。
 また、直木賞の選考委員や日本ペンクラブ会長を務めるほか、大江健三郎などと共に憲法改正に反対する「九条の会」の呼びかけ人の1人であり、自作でも昭和天皇の戦争責任を問うなど、反戦・平和運動にも積極的だった。
 三女で「劇団こまつ座」の井上麻矢代表取締役社長(42)は11日、東京都台東区の「こまつ座」で会見を行った。
 麻矢さんによると、井上さんは昨年10月の肺がん発覚後、入退院を繰り返しながら抗がん剤治療を行っていたという。4度目の治療が終了し、体調が回復した9日朝に自宅に戻っていた。
 闘病中も創作意欲は衰えず、「木の上の軍隊」を執筆中だったが、完成させることはできなかった。

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