【画像】 「正義と平和委員会」20周年で池住氏 〝イラク戦争は終わっていない〟 2010年6月5日

【画像】 「正義と平和委員会」20周年で池住氏 〝イラク戦争は終わっていない〟 2010年6月5日

 故・白柳誠一枢機卿によって設立された「カトリック東京教区正義と平和委員会(東京正平委)」の20周年を記念する講演と交流の夕べが5月15日、東京・新宿区の真生会館で行われた。亡くなった濱尾文郎(2007年)、白柳(09年)両枢機卿を含め、東京正平委の会員たちを追悼するミサの後、聖公会信徒である池住義憲氏(立教大学大学院キリスト教学研究科教授、自衛隊イラク派兵差止訴訟原告)が「4・17イラク派兵違憲判決と平和的共存権」と題して講演した。
 「イラク派兵差止訴訟」は、自衛隊のイラク派遣の差し止めと違憲確認、損害賠償を求めて国と争った裁判。全国で12の訴訟が提起されたが、名古屋高裁は08年4月17日、「多国籍軍の武装兵員をバグダッドへ輸送するのは他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力行使を行ったと評価を受けざるを得ない」とし、「憲法9条1項に違反する」と判断。自衛隊の活動に対し、初めての違憲判断を示した歴史的判決として注目を浴びた。
 池住氏はイラク戦争の開戦から違憲判決が下されるまでの経緯を説明。「イラク戦争は国際法的にもまだ終わっていない。戦闘行為は続いているし、12万の米軍が駐留している。それは軍事占領が続いているということ」と述べた。
 講演後に同氏と対談した森一弘司教(真生会館理事長)は、「アメリカとの結びつきが本当に日本を幸せにしているのか見直す時が来ているのではないか」と提言した上で、「国民の強さは弱者の幸福によってはかられる」というスイスの憲法を紹介。「アメリカの強い者が勝ち取っていくという論理が当たり前になっているが、世界中の人々のメンタリティが何か毒されてしまったように思う」と述べた。
 森司教の意見を受けて池住氏は、「イラク訴訟を通して憲法25条が守られていないことに気がついた。今までは反戦運動と生活水準を引き上げる運動は別物だと考えていたが、反貧困グループの人々と触れ合ううちに、距離が縮まったように思う」と語った。

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