【画像】 いのちのことば社 『新約聖書 日中対照』出版記念 アンドリュー・ファン氏が講演 2010年9月4日

【画像】 いのちのことば社 『新約聖書 日中対照』出版記念 アンドリュー・ファン氏が講演 2010年9月4日

 日本語の新改訳聖書と中国語の聖経新訳本(「簡体字」を用い、「神」の訳語を採用)を対照させた『新約聖書 日中対照――新改訳聖書/聖経新訳本(簡体・神字)』が、いのちのことば社出版事業部から刊行された。
 聖経新訳本は、40人の中国人学者により1973年から翻訳が始められ、92年に旧新約聖書が出版された。原語に忠実であること、読みやすく理解しやすいこと、福音的信仰に立つことなどを翻訳方針としている。中国語聖書の中では最新の翻訳で、現在およそ1千万部が配布されており、台湾・香港・シンガポールなどで用いられている。
 同事業部は8月16日、『新約聖書 日中対照』の出版を記念して、聖経新訳本の翻訳者の1人である聖書学者のアンドリュー・ファン(黄朱倫)氏を招き、「中国のキリスト教会の現状と聖書翻訳」と題する講演会を同社チャペル(東京都中野区)で開催、関係者など約60人が出席した。
 ファン氏は、シンガポール・バイブル・カレッジで神学士の学位を取得後、米ウェストミンスター神学校に入学。聖書翻訳と聖書研究を専攻し、神学修士と神学博士の学位を修得した。その後、シンガポール・バイブル・カレッジの客員教授を務めながら、同時に97~99年、英国ケンブリッジのティンデル・ハウスで聖書研究を行った。また、2006年6月より、米カリフォルニア州クパチーノに本拠を置く中国語聖書出版の「環球聖経公会」常駐学者として同会の国際総幹事を務めている。
 同氏は、アガペーとフィリアという二つのギリシア語単語に注目し、一般的に前者は犠牲的で偉大な「愛」、後者は友情的な「愛」と捉えられていることを説明。その上で、ヨハネ福音書における両者の対比(3・35と5・20、11・5と11・3、14・23と16・27)から、原文ではその意味に大きな区別がなく、中国語でも「愛」1文字で訳していると指摘。「中国であれ、日本であれ、翻訳する時には『愛』とするのが正しく、新たな解釈はいらない」と主張し、「聖書の翻訳はどの国の言葉であれ、正しく翻訳するのが非常に大事」だと語った。
 また、中国の教会の成長についても言及。特に非公認の「家の教会」は、そのメンバーが大学教授や弁護士など高学歴、富裕層の人々が集まっており、都市ではオフィスや別荘を借りて集会が持たれていると報告。地域によって差があるが、中には300人、500人が集まる「家の教会」もあり、教職者についても海外留学経験のある修士以上の学歴のある人が増えていると説明した。「これから20年、30年にわたってわたしたちは中国の教会をサポートしたいと思う。でももしかしたら30年から40年後では、彼らがわたしたちを助けるかもしれない」と将来の展望を述べた。
 『新約聖書 日中対照』は、9月4日・5日に開催される日本クリストファー・サン国際大会での決心者へ300冊寄贈されることになっており、いのちのことば社伝道グループ会長の多胡元喜氏から同大会会長の峯野龍弘氏(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師)への贈呈式が講演に続いて行われた。

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