アフガニスタン北東部で 援助活動家10人の遺体発見 2010年8月21日

 【CJC=東京】アフガニスタン北部バダフシャン州の森林地帯で8月6日、多数の銃弾を撃ち込まれた外国人眼科医ら10人の遺体が発見された。同国の旧支配勢力「タリバン」は7日、同地域で「キリスト教宣教師たち」を殺害したと発表した。
 医師らが所属する支援団体「国際援助ミッション」(IAM)は、全員が同組織の所属であり、死者の国籍は米国人6人、ドイツ人1人、英国人1人、アフガン人2人だと発表した。
 タリバンのザビフラー・ムジャヒド報道担当は7日、「6日午前8時ごろ、警備隊が外国人と遭遇した。キリスト教宣教師たちなので、全員殺害した」と述べた。医師らはダリー語(ペルシャ語)の聖書、衛星測位装置、地図などを所持していたという。
 タリバン側は、医師団と通訳は「アメリカのスパイで、キリスト教を説いていた」と語っている。同担当は、車を止めて拘束しようとしたが逃げたため射殺したと説明。所持品から「スパイの証拠」文書や、イスラム教からキリスト教への改宗方法が書かれた文書が見つかったという。
 IAMは、医師らが同州に隣接するヌリスタン州での医療支援を終えて首都カブールに戻る途中、襲撃に遭ったと説明。当初は12人のグループだったが、襲撃前日にアフガン人1人が治安上の理由からグループを離脱したという。
 バダフシャン州警察によると、医師らと行動を共にしていたなかで唯一殺害を免れたアフガニスタン人は、外国人眼科医8人とアフガニスタン人2人の一団は数日前からバダフシャン州から隣接するヌリスタン州に向かって森林地帯を野営しながら移動していたが、昼食を取っていた際に突然襲われ、森の中で一列に並ばせられて射殺されたと証言している。現金や持ち物はすべて盗まれたという。
 地元住民たちは、森林地帯は危険だから立ち入らないよう医師らに忠告したものの、「自分たちは医師だから大丈夫だ」と言って出発した、と説明している。
 殺害を免れたアフガニスタン人は、聖典コーランの1節を唱えたところ、武装グループにイスラム教徒であると認められてヌリスタン州で解放されたという。
 「世界福音同盟」(WEA)と「アジア福音同盟」(AEA)は、今回の殺害に関し、「タリバン」を非難する共同声明を発表した。WEAのジョフ・タンニクリッフ会長は、「人道活動家に対する意味のない殺害は、大残虐行為であり、数千人もの貧困者への援助活動に大きな影響を与える。またもや社会で最も必要とされている活動が暴力で衝撃を受けた」と述べている。WEAとAEAは殺害された人たちの家族や友人への慰めを示すと共に、アフガニスタン政府に人道活動家すべてを保護するよう要請した。
 タリバンは、これまでにも援助活動家を襲撃したことはあるが、今回のように射殺することは稀で、通常は身代金目的もあってか、安全は保障されていることが多い。2007年、韓国の宣教団体が狙われた時も、23人のうち2人が殺害されたものの、残りは交渉の後に釈放されている。

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