教皇インタビュー本、各国で売れ行き好調 性的虐待、エイズ問題にも言及 2010年12月11日

 【CJC=東京】教皇ベネディクト16世が初めて性や神父による児童性的虐待の問題を語った書籍『世の光=教皇、教会、時の徴』が18言語で出版され11月24日、各国の書店に並んだ。ドイツ人ジャーナリスト、ペーター・ゼーバルト氏が教皇に延べ20時間のインタビューを行ってまとめたもの。
 バチカン出版局から24日発売されたイタリア語版は、約280ページ。その中で教皇はゼーヴァルト氏の90以上に及ぶ質問に率直に答えている。
 同書が扱うテーマは、教皇の日常生活から今日のカトリック教会や人類が直面する重要な諸問題に至るまで多岐にわたり、教皇はこれらのテーマに対し非常に平明な言葉で語っている。
 バチカン放送によると、教皇は今日の希望のしるしとして、組織や形式主義の結果としてではなく、教会の内側や、若者たちから生まれてくる新しい試みを歓迎している。そして、キリスト教が世界を変えるこの新しい活力をもって、新たな役割を担うことを期待している。
 教皇の不謬性とはごく限られた状況と条件の中で有効であることを想起しながら、教皇であっても個人的な意見や間違った意見はありうると説明。また、教皇は体力的・精神的・霊的に託された職務を果たせないとの自覚に至った時、辞任する権利があるとも述べている。
 聖職者による未成年の性的虐待を愕然とする出来事と述べた教皇は、教会は罰することを知り、今を清めの時としなければならないとしている。
 エイズ問題に触れた教皇は、教会が他のどの組織よりも、これまでいかに具体的に人々に寄り添い、患者をケアしてきたかを示した。そして「エイズ問題はコンドームの配布では解決できず、さらに多くの努力が必要」と強調。「感染の危険を減少させる」という動機のために個々のケースでその使用が正当化されることはあるかもしれないが、「教会はコンドームを真の倫理的解決とは見なさない」と語った。
 この他、教皇は、離縁・再婚したカップルの司牧や、ルフェーブル派の問題、イスラム教との対話やエキュメニズム、典礼問題など、幅広いテーマに答えている。
 米国の出版元「イグナシアス・プレス」によると、事前予約だけで1万2千件入っていたという。

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