米カトリック教会司教がガールスカウトに注文 堕胎など推進団体との関係指摘 2012年6月2日

 米「ガールスカウト」が設立100周年を迎える中で、カトリック教会司教から、堕胎、避妊、同性愛を推進する団体との関係を指摘されている。

 カトリック・メディア・サービス「EWTN」によると、司教協議会信徒・結婚・家庭生活・青年委員会議長のケビン・ローズ司教が、「『ガールスカウト』に注目している」と語った。この3月、他の司教に宛てた書簡で、「ガールスカウト」の「他の組織と相当に問題のある関係」や「プログラムに使われる材料やリソースに問題がある」ことに関し、数年越しに発言して来た「数々の懸念」を同委員会が論議した、とローズ司教は記している。

 このところ、「ガールスカウト」は、伝統的価値に反した活動を行っているとの批判を浴びてきた。

 2010年、テイーンエイジの少女2人が8年間会員だった「ガールスカウト」を脱退、ネット上に同組織の問題点を訴えるサイトを開設した。

 今年1月、コロラド州の隊が、性転換をした7歳の子の入隊を認めた際も批判が出た。その子は少女ではない、というのが理由。

 「計画出産」にからむ懸念もある。たとえば10歳のグレイス・スワンクさんが「ガールスカウト」を除隊し、自分で「生命のためのクッキー」を売り出した例もある。グレイスさんは、収益を中絶反対グループに寄付している。

 米国の「ガールスカウト」が「ガールガイド・ガールスカウト世界連盟」に加盟していることも問題視される。同連盟が中絶、避妊、同性愛を世界規模で推進していることが理由。

 あからさまに「計画出産」を勧める資料が、2年前の国際会議の席上配布されたと報じられたことも懸念を引き起こした。

 カトリックのガールスカウト隊が長年にわたり少女たち、さらに社会に対して行ってきた働きに感謝しつつ、ローズ司教は、提起した重要な質問の中に、地域レベルでも全国レベルでも答えられていないものがある、と指摘する。「この問題を委員会が引き続き検討していることを司教たちに知っておいてもらう」という意図も同司教は強調した。

 委員会で、司教、司祭、教育指導者が「地域レベルで使用する」ための材料を提供したい、と同司教。これらの材料は、「カトリック隊の独自性への配慮と、親たちに役立つものを盛り込む」と言う。さらに、地域レベルで未解決の問題を探るため司教協議会が任命したスタッフが「カトリック青年宣教全国連合」と協力することも委員会は提案している。

 米司教協議会自体は、現在進行中の問題だとしてコメントを避けている。

 しかしこれまでの論議が、カトリック家庭に少女を「ガールスカウト」から脱退させ、同様な活動を、キリスト教色を強めて進めるよう仕向けて来たことも事実。

 「ガールスカウト」は、1908年に英国でロバート・ベーデン=パウエル卿が発足させたボーイスカウトにならい、10年にベーデン=パウエル卿の妹アグネス・ベーデン=パウエルによって発足した「ガールガイド」を母体として、12年に米国でジュリエット・ローが創設した。特定の宗教を強調しない一方で、キリスト教会側では、自らの教義・信仰の基盤に立った運動である、との意識を強調する傾向が今も強い。(CJC)

 

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