【映画評】『レフト・ビハインド』 「携挙」に取り残されて人はどう生きるか 2015年5月2日

 聖書を素材にした映画の公開が昨年から続いている。洪水を通して家族の愛も描いた『ノア』、キリストの生涯を弟子ヨハネの語りで描いた『サン・オブ・ゴッド』、モーゼと民の出エジプトを描いた『エクソダス:神と王』など、何れも聖書に記されている過去の歴史的出来事を描いているが、6月に公開される『レフト・ビハインド』(2014年、アメリカ、配給=クロックワークス)は聖書に記されている、これから起きる歴史的出来事をテーマに描いている点で趣が異なる。

 映画の冒頭で『神の行為』というタイトルの本が買われていくシーンが、この物語全体の背景を暗示する。

 主人公のパイロット、レイ(主演ニコラス・ケイジ)が操縦するジャンボ機はJFK空港を離陸、ロンドンに向けて順調に飛行を続けていたが、やがて高度3万フィートの上空で副操縦士、客室乗務員を含む乗客の多くが忽然と姿を消し、機内はパニックに陥る。一方地上ではレイの長女が幼い弟を抱きしめている時、腕の中で弟が突然消える。レイの長女はあまりにも突然のことに混乱するが、周囲でも同様な出来事が起き、街は大混乱に陥り無法地帯化して行く。レイは妻が話していた聖書に記されている終末の時代の出来事を思い出し、機内で消えた人たちに共通していることを調べ、消えた人たちは「携挙」されたのだと思い至る。レイは緊急着陸に備え地上との交信を乗客のジャーナリスト、キャメロンと試みる。レイは地上の様子を見て、この世の終わりの始まりであることを悟る。

 終末論は諸説あり、この映画は原作本に沿った「千年期前再臨説」と呼ばれる説に基づいている。聖書に記されている終末、主の再臨についての学びと思いを改めて思い起こさせてくれる。

 映画の原作は『レフト・ビハインド』(いのちのことば社 フォレストブックス)で、ティム・ラヘイ/ジェリー・ジェンキンズ著、上野五男訳。全12巻のうち映画は第1卷から。

 カラー、110分。6月27日、新宿バルト9ほか全国公開。

 

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【Ministry】 特集「過疎と教会 今そこにあるキボウ」 25号(2015年5月)

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