差別と偏見の「垣根」取り除くため NCC「障害者」と教会問題委が集会 2015年12月5日

 日本キリスト教協議会(NCC)「障害者」と教会問題委員会(橋本克也委員長=日本聖公会池袋聖公会司祭)は、1981年の「国際障害者年」以来、毎年11月の第2聖日の週を「障害者」週間とし、差別と偏見の「垣根」を取り除こうと呼び掛けている。11月8~14日の同週間に先立ち、7日、「『障害者』週間の集い」が日本聖公会神田キリスト教会(東京都千代田区)で行われた。

 戦後70年を迎えた今年は、「平和を作り出す――障がい者の視点から」というテーマのもと、米川覚さん(滝乃川学園常務理事)=写真右=と大石忠さん(NCC「障害者」と教会問題委員会委員)=写真左=の2人が発題。約30人が参加した。

           

 米川さんは「戦時下における障がい者の状況――滝乃川学園の場合」と題して発題。同学園は、1891年に創設された日本初の知的障がい児者のための社会福祉施設。立教女学校の教頭であった石井亮一が、濃尾大地震で親を失った少女たちを救うため、「孤女学院」として設立した。その中に知的障がいを持つ少女がいたことから、知的障がい児の教育・福祉に力を注ぐこととし、「滝乃川学園」に改名。石井亮一が逝去した後は、筆子夫人が第二代学園長に就任した。

 米川さんは戦時中の学園の記録をたどり、栄養障害で20人以上が亡くなったことや、空襲時のようすなどを紹介した。

 聴覚に障がいのある大石さんは、当事者の立場から「『障害者差別解消法』を学ぶ」と題して発題。偏見が差別を生み、差別が虐待を生むとし、虐待は暴力であり、その後には犯罪があると述べ、「無理解」が差別や偏見を起こす本質だと訴えた。その上で、障害者権利条約の八つの原則に注目し、その理念が障害者差別解消法などの障がい福祉に関する法律に反映され始めていることを説明した。

 最後に、この世の中で最大の虐待は戦争だと述べ、ユネスコ憲章の前文から、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という言葉を引用した。

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