【画像】 学生が企画「信じる人をみる」映画祭 宗教の多様な側面描く15本 2016年12月3日

【画像】 学生が企画「信じる人をみる」映画祭 宗教の多様な側面描く15本 2016年12月3日

 オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた1995年生まれの学生たちが中心に、「信じる人」をテーマとする映画祭「信じる人をみる宗教映画祭」が12月10~16日の7日間、ユーロスペース(東京都渋谷区)で開かれる。
 主催・運営を担うのは日本大学芸術学部映画学科映像表現・理論コースの3年生。この映画祭は、同大教授の古賀太さんによる映画ビジネスゼミの学生が、毎年テーマを変えながら2012年から続けているもので、今回が6回目。チラシの作成から上映館との交渉、広報までを実際に体験しながら学ぶという授業の一環。
 今年は14人の学生がそれぞれ持ち寄った案の中から、最終的に「宗教」が選ばれた。企画の提案者である代表の木村孔紀さんは、「自分たちが信じるというより、改めて信仰を持っている人たちを理解しようというのがねらい」と語る。
 上映されるラインナップには、最後まで自分の信仰を貫く姿を描いた『裁かるゝジャンヌ』から、信仰に疑問を持つ牧師が主人公の『冬の光』、2014年に日本で公開され反響を呼んだ『大いなる沈黙へ』まで、年代を超えて実に多様な宗教の側面を描く計15本が並ぶ。
 当初100作以上あった候補の中から、互いに協議しつつ「聖書の物語や偉人伝ではなく、信者の『信じる』あり方が客観的に見えるもの」「特定宗教に偏って擁護したり否定したりしていないもの」という基準で絞り込んだという。
 新聞・雑誌の宣伝を担当する小波津龍平さんは、「特に日本では宗教について自覚することが少ないと思うので、その良し悪しではなく、映画を通してある種の宗教観が構築できることは良いことだと思う。宗教の神聖な面も残酷な面も、清濁あわせて観る良い機会」と語る。
 同じく新聞・雑誌担当の森千尋さんは、今回の企画に携わってからの心境の変化について「今まで宗教というと教団など組織・団体のイメージがあったが、信じる個々人の姿が見えてくるようになった」と話す。物心ついた時には地下鉄サリン事件に関する指名手配のポスターを日常的に目にしていたので、宗教に対して「何となく怖い」というイメージはあったようだ。
 サリン事件の2年前に生まれた太田薫子さんは、幼稚園の時に一般市民が銃を持って戦う姿を見て衝撃を受けた。「9・11」の同時多発テロが起きた時分は小学生。異なる信仰の衝突を目の当たりにしてきた世代でもある。
 広報に携わったメンバーは、世間の「宗教」に対するハードルの高さや「宗教=怪しい」というイメージが根強くあることも再認識した。一方で、学生だからこそ企画できるテーマだという自負もある。
 特に同世代に観てほしいと願う木村さんは、「映画や宗教に詳しくない人が観ても面白いと思うので、気軽に来てほしい。すでに観たことがある作品の見方や、宗教に対する見方を変える契機になれば」と期待を込める。
 前売券はユーロスペース劇場窓口にて9日まで発売。前売券1回券(一般学生ともに)800円/3回券(一般学生ともに)2100円、当日券1回券1200円(一般)、1000円(学生)/3回券(一般学生ともに)2700円。問い合わせはユーロスペース(tel 03・3461・0211)まで。


【上映作品 *上映順】


10日▼
『禁じられた歌声』(2014年・フランス、モーリタニア)、『カナリア』(2004年・日本)、『裁かるゝジャンヌ』(1928年・フランス)、『水の声を聞く』(2014年・日本)


11日▼『神々と男たち』(2010年・フランス)、『セデック・バレ』(2011年・台湾)、『天草四郎時貞』(1962年・日本)


12日▼『ジーザス・キャンプ――アメリカを動かすキリスト教原理主義』(2006年・アメリカ)、『裁かるゝジャンヌ』、『シークレット・サンシャイン』(2007年・韓国)、『大いなる沈黙へ』(2005年・フランス・スイス・ドイツ)


13日▼『禁じられた歌声』、『神々と男たち』、『ノスタルジア』(1983年・イタリア、ソ連)、『ある朝スウプは』(2004年・日本)


14日▼『大いなる沈黙へ』、『冬の光』(1963年・スウェーデン)、『カナリア』、『ノスタルジア』


15日▼『天草四郎時貞』、『水の声を聞く』、『奇跡の海』(1996年・デンマーク)、『神は死んだのか』(2014年・アメリカ)


16日▼『ある朝スウプは』、『シークレット・サンシャイン』、『冬の光』、『奇跡の海』

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