【画像】 〝原発撤廃へ力を一つに〟 カトリック司教協議会社会司教委が出版記念シンポ 2017年1月21日

【画像】 〝原発撤廃へ力を一つに〟 カトリック司教協議会社会司教委が出版記念シンポ 2017年1月21日

 カトリック中央協議会(東京都江東区)は2016年8月に『回勅ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』(教皇フランシスコ著、瀬本正之、吉川まみ訳)、10月に『今こそ原発の廃止を――日本のカトリック教会の問いかけ』(日本カトリック司教協議会『今こそ原発の廃止を』編纂委員会編)を刊行した。これを記念するシンポジウム「父よ、あなたが造られたすべてとともに、あなたをたたえます」が12月14日、東京・四谷のカトリック麹町教会ヨセフホールで開催された。日本カトリック司教協議会社会司教委員会(浜口末男委員長=大分司教区司教)が主催。会場は約270人の参加者で満席となった。


 開会にあたりあいさつした浜口氏は、両書が人類の将来だけでなく地球の将来を左右するような問題を取り扱っていると指摘。続けて大塚喜直氏(前社会司教委員会委員長、京都司教区司教)がこれまでの経緯を説明した。
 2011年3月に東日本大震災が発生し、同年11月に日本カトリック司教団はメッセージ「いますぐ原発の廃止を――福島第一原発事故という悲劇的な災害を前にして」を発表した。13年11月には韓国カトリック司教協議会が「核技術と教会の教え――核発電についての韓国カトリック教会の省察」を発表。これらを受けて、原発廃止の呼び掛けをより学問的、福音的、倫理的に深めていくことを課題に、書籍の刊行に向けて14年10月に編纂委員会が発足。15年5月に公布された教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」も土台としながら、2年をかけて『今こそ原発の廃止を』を完成させた。
 また、日本カトリック司教団は16年11月にメッセージ「原子力発電の撤廃を――福島原子力発電所事故から5年半後の日本カトリック教会からの提言」を発表。日本の教会だけでなく、全世界の人々に原発廃止を呼び掛けた。
 シンポジウムでは、イエズス会司祭で上智大学神学部教授の瀬本正之、光延一郎の両氏が講話を行った。
 『回勅ラウダート・シ』の邦訳に参加した瀬本氏は、同回勅で繰り返される10のテーマから、「貧困問題と環境問題とは同根」「経済を巻き込み政治を左右する技術」「自然の中の人間の位置とその責任」「健全な集団的意思決定を支える対話」「文化を変えうるライフススタイル」という五つの視点を提示。
 また、教皇フランシスコが『使徒的勧告 福音の喜び』で提示した「時は空間に勝る」「一致は対立に勝る」「現実は理念に勝る」「全体は部分に勝る」という四つの原理が同回勅にも登場することを指摘した。
 最後に、「教皇の眼差しは『救いの完成』に向けられているように思った」と述べ、「貧しい人たちに何の貢献ができるか」という視点から環境問題を捉え直すことは、「永遠のいのち」への眼差しから出てくることだと強調した。

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