天皇の退位・即位に関してカトリック司教協議会が要望書 2018年3月11日

 政府は昨年12月1日、2019年4月30日の現天皇退位と、翌5月1日の新天皇即位を発表した。また2月20日に開かれた式典準備委員会の第2回会合で退位の儀式を国事行為とすることを決定した。これを受けて日本カトリック司教協議会(髙見三明委員長)は22日、安倍晋三首相宛に「天皇の退位と即位に際しての政教分離に関する要望書」を送付した。

 要望書では、前回の天皇逝去と即位の際に皇室の私的宗教行事である大嘗祭に国費を支出し三権の長が出席したことや、国事行為である即位の礼にも宗教的伝統を導入したことを、「日本国憲法の政教分離原則にそぐわない」と指摘。これを踏襲するとした今回の政府方針を遺憾だと述べた。その上で、一連の行事にあたり、憲法が定める政教分離原則を厳守し、皇室の私的宗教行事である皇室祭祀と国事行為の区別を明確にするように求めた。全文は以下の通り。


天皇の退位と即位に際しての政教分離に関する要望書

内閣総理大臣
安倍 晋三 様

 2019年4月30日に今上天皇が退位され、翌5月1日に新天皇が即位されます。

 前回の天皇逝去と即位に際しては、皇室の私的宗教行事である大嘗祭を「宗教色はあるが公的性格をもつ皇室行事である」として、それに国費を支出し、三権の長が出席しました。また国事行為である即位の礼にも宗教的伝統を導入しました。これらは日本国憲法の政教分離原則にそぐわないと考えます。

 そして昨日の報道によると、今回の大嘗祭においても前回を踏襲する方針が示されました。私たちはそれを大変遺憾に思います。 

 日本国憲法の政教分離(憲法第20条)の原則は、日本がかつて天皇を中心とした国家神道のもとで戦争を行い、アジアの人々をはじめ世界の多くの人々の人権と平和を侵害した歴史への反省から生まれたものです。この不幸な歴史を決して忘れず、同じ轍を踏まないようにする責任を日本政府は負っています。

 そのために、私たちは次のとおり要望いたします。

 「天皇の退位と即位に関する一連の行事にあたって、日本国憲法が定める政教分離原則を厳守し、国事行為と皇室の私的宗教行事である皇室祭祀の区別を明確にすること」

2018 年2月22日

日本カトリック司教協議会
髙見 三明
前田 万葉
菊地 功
岡田 武夫
大塚 喜直
梅村 昌弘
松浦 悟郎
宮原 良治
幸田 和生
郡山 健次郎
平賀 徹夫
諏訪 榮治郎
浜口 末男
勝谷 太治
白浜 満
W・バーント

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