【書評】 『キリスト教の謎 奇跡を数字から読み解く』 竹下 節子

「1」から「13」まで数字で謎解き! キリスト教の“ふしぎ”

 

 「キリスト教」をテーマに、1章から13章をその数字にちなんだテーマでまとめた1冊。1章は「一神教」、2章は「二元論」、3章は「三位一体」など。
 5章「キリストの五つの傷」では、5という数は「モーセ五書」、パウロがユダヤ人から5度鞭打ちにあったことなどから、元来シンボリックだったと指摘。「イエスの十字架上の五つの傷説」が定着すると、13世紀には「5つの傷」礼拝が認可されただけでなく、イエスと同じ個所に傷を負った聖痕者たちが現れる。フランチェスコは有名なところだが、20世紀に入ってもカプチン会の修道士パードレ・ピオに聖痕が現れ、信者に熱狂されたため蟄居処分になった件は興味深い。
 11章「一万一千人の処女殉教者」では、4世紀にフン族によって惨殺されたブリタニア王女ウルスラと10人の女性殉教者の計11人は、12世紀なると1万1千人に膨れ上がった史実を紹介。墓碑のラテン語をラテン数字と読み違えたため起こった出来事だが聖遺物ブームに沸く中世では、この桁外れな「聖女軍団」もすんなり受け入れられたと著者は推察する。
 そのほか、マリアの誕生、ルルドの聖母出現などにスポットを当てた「八日は聖母マリアの受胎の日と誕生の日」や、システィーナ礼拝堂のノアの画を巡る「九つの天井画」の考察など。謎解きのように楽しく読み進めるうちに、キリスト教の教義も歴史も知ることができる。

【本体2,600円+税】
【中央公論新社】978-4-12004-845-6

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