【書評】 『教会と戦争』 川端 純四郎

震災で揺さぶられた教会に改めて「国家」「戦争」「マルクス主義」との対峙を求める

 

 東日本大震災を経て、新たな神学の課題を提起し続けた著者の逝去から3年。大学、教会、地域社会など、さまざまな「現場」で語られ、紡がれてきた論文、エッセイ、講演録など28編から、その多岐にわたる活動を支えた信仰と思想の源流が浮かび上がる。
 「小さな者への差別や抑圧を看過せず、構造的な問題に正面から取り組んだ実践家、多くの学生たちに慕われた教育者、……広範な視点からその音楽の本質を解明したバッハ研究の第一人者」――改めて残された遺産の大きさに驚嘆する。
 「教会と国家」「信仰と科学」「キリスト教とマルクス主義」「戦争と平和」などの思想課題をめぐり、今を生きるキリスト者に向けて、なお多くの叱咤激励を続ける著者の声が聞こえてくる。
 同労者として長く併走してきた浅見定雄氏の解説も必読。

 

【本体2,500円+税】
【新教出版社】978-4-40021-322-2

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