「AERA」が今年2度目の特集 キリスト教会の「カルト化」 共通の課題を浮き彫りに 2008年8月2日

 今年4月に「キリスト教会の『性犯罪』――わいせつ行為を『救済』と説明」とする特集を掲載した週刊誌「AERA(アエラ)」(朝日新聞出版)が、前回に引き続き、7月28日号で「キリスト教会の『カルト化』――悪霊払い、SEX、虐待をうむ異常なコミュニティー」とする記事を4ページにわたって掲載した。

 記事では、信者への暴力や虐待を「訓練」「悪霊払い」として正当化する牧師の蛮行や、被害者による損害賠償訴訟の経緯など、「カルト化する教会」の実態を紹介。「信者は、牧師に批判的な考えをもつことは不信仰だと考え、理不尽なことが身に降りかかっても、非は自分にあると思う。信仰が足りないという牧師の言葉を素直に受け入れ、牧師への忠誠を一層強めていく」と、その構造について分析している。

 また、これらの教会の共通点として、問題を指摘すると「(牧師に批判的な者による)謀略を持ち出す」こと、「『正統』なキリスト教会であることを掲げている」こと、「信者が増えたり、教会が立派になったりして、勢いを感じさせること」などを挙げている。

 今回取り上げられているのは、ハレルヤコミュニティーチャーチ(HCC)浜松教会(静岡県浜松市・榊山清志牧師)、沖縄キリスト福音センター美浜教会(沖縄県北谷町・仲原正夫牧師)、北愛キリスト教会(北海道北見市・竹内一雄牧師=本紙調べ・「AERA」では匿名)の3つで、いずれも単立の教会。特に浜松教会をめぐっては今年5月、静岡地裁浜松支部により、牧師の暴力行為を認定する判決が下されたばかり(損害賠償の請求は「時効」を理由に棄却)。その後、大和カルバリーチャペルの大川従道牧師が同教会と「絶縁宣言」を行うなど、さまざまな波紋を呼んでいた。

 こうした問題の対応策として、前回の「AERA」報道以来さまざまな観点から発言を続けてきた水谷潔氏(小さないのちを守る会代表)は、リバイバル新聞(リバイバル新聞社)7月27日付の論説で、「外部に対して客観的に自浄作用があることを証明できる規則を持つこと」に加え、単立教会にとっては「教会間の交わりが必須」と提言。3つ以上の教会が「戒めあえる交わり」を持つことで、「多くの関係者が該当教会の問題を認識し、適切な対処をしやすくなる」と水谷氏。「問われているのは教会の健全性です」と指摘している。

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