日本クリスチャン・アカデミー関東活動センター主催 神学生 40年ぶりに交流再開 7校14人が自主運営 2009年3月28日

 日本クリスチャン・アカデミー関東活動センター(薛恩峰所長)は3月9~11日、ナザレ修女会エピファニー館(東京都三鷹市)で第1回神学生交流プログラムを開催した。同プログラムは今から40年以上前、神学生同士が教派を超えて交流するインターセミナリー・カンファレンス(通称インセミ)として、学生自身が企画、運営していたもの。しかし1969年、学生運動のあおりを受け解体。以後、今日に至るまで実現できずに来た。今回、各神学校に呼びかけたところ、同志社大学神学部、関西学院大学神学部、日本聖書神学校、ルーテル神学校、西南学院大学神学部、聖公会神学院、カトリック神学院の計7校から推薦を受け、14人の学生が参加した。年齢も20代から60代まで、さまざまな立場の神学生が貴重な「出会い」を経験した。

 同プログラムは今から40年以上前、神学生同士が教派を超えて交流するインターセミナリー・カンファレンス(通称インセミ)として、学生自身が企画、運営していたもの。しかし1969年、学生運動のあおりを受け解体。以後、今日に至るまで実現できずに来た。

 今回のプログラムでは、クリスチャン・アカデミーが日時、会場などの大枠を設定し、懇親会や全体協議の司会など、運営自体は参加した学生に委ねられた。

 プログラム全体を統括する校長として名を連ねた関田寛雄氏(青山学院大学名誉教授)は、参加者を歓迎するあいさつの中で、「間もなく近い将来において牧会の現場に派遣されようとしている諸兄姉にとって、この『神学生交流プログラム』は、『召命』の再確認としてのまたとない良い機会。この場でみ言葉と祈りと出会いを重ねることで、牧会の務めがこの上もなく光栄で自由であり、かつ恵みと謙遜の業であることを確認したい」と、その意義について記している。

 参加者らは、荒井献氏(恵泉女学園大学名誉教授)による2回の講演「信仰と新約学――私の歩みから」「福音宣教の功罪――ローマ植民都市フィリピにおけるパウロの宣教活動を手がかりとして」を受け、講師を交えて意見交換。

 2日目には、二つのグループに分かれ、東京カトリック神学院、日本ルーテル神学校をそれぞれ訪問した。

 最終日には、全体協議が行われ、プログラムを通しての感想を分かち合った。「神学校で教わってきた知識にとらわれ、それぞれの教派に対して先入観があったが、実際に会ってみなければ分からないことが多いことを実感した」「違いに対する衝撃より、むしろ共通点が多いことが意外だった。特にカトリックとルーテルの神学生が同席していたことが新鮮だった」など、率直な意見が交わされ、さらに「カトリック司祭の独身制」をめぐって、当事者を交えてのより踏み込んだ議論も展開された。

 運営委員として参加した戒能信生氏(日基教団東駒形教会牧師)は、「教会の停滞が神学生にも反映し、さまざまな困難を抱えているという印象があったが、不安は解消された。予想以上に、自らの属する教派を客観視することができている。こうした神学生が育っていることに希望を見出した思い」と、今回の成果を喜んだ。

 事務局を担ったクリスチャン・アカデミーの薛所長も、呼びかけをした神学校の反応から、他教派との交流に対する高いニーズがあるとの手応えを感じたという。

 このプログラムは、来年以降も関西と関東で交互に行われる予定。主催者側は、さらに多くの神学校から参加者を募りたいと期待している。

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