「Ministry」“教会は真に門を開いているか” 2010年2月13日

創刊1周年 企画会議で八木谷さんが提起

 2009年4月に創刊された季刊「Ministry」(キリスト新聞社)がこの春、創刊1周年を迎えるのを前に、編集委員らが集う企画会議が2月1日、さいたま市内で開かれた=写真。
 今回は、同誌で「新来者が行く」を連載中の八木谷涼子さん(『知って役立つキリスト教大研究』『別冊太陽 日本の教会をたずねて』著者)をゲストに招き、ノンクリスチャンの立場から教会への提言に耳を傾けた。
 翻訳の仕事をする都合上、キリスト教の教派と用語に強い関心を持ち、第三者の立場から教会を訪ねるようになったという八木谷さん。北は北海道から南は沖縄まで、100を超える教会を訪問してきた。
 会議ではこれまでの体験をもとに教会の「ホスピタリティ」と「女性の位置付け」について、委員らと意見を交わした。初めに、多くの教会で新来者に対し名前や住所、連絡先を記入させていることに触れ、「プロテスタントは名前を書かせる教会という印象が強い」と指摘。カトリック教会では記帳する例がほとんどないのに対し、「なぜ書かせる必要があるのか」と疑問を投げかけた。
 「〝お試し〟で来た人にとってプライベートな情報を書かされるということは、教会に足を踏み入れるためのハードルを上げることになる」「初めて出席した人が疎外感を感じるかどうかは、説明の仕方次第で大きく変わる」と八木谷さん。
 また、教会において「食事の配膳」「後片付け」「バザーの出品」といった役割が、「婦人会」など主に女性にだけ期待されている実情や、「素性のわからない女性」だと警戒されるが、「教会員の紹介で」と明かした途端に態度が変わる教会側の対応など、いくつかの問題点を指摘した。
 同誌編集主幹の平野克己氏(日基教団代田教会牧師)は、改めて和解と形成に資する媒体の意義を強調し、「同世代の牧師たちがこうして集まれることは、それだけでも貴重で楽しいこと。疲弊した教会に新しい風を吹かせ、ムーブメントを起こしたい」と、2年目に向けて抱負を語った。
 1周年を迎える今年は、同誌の読者をはじめ、各地の牧師、教会役員のためのセミナーも開催する予定。1周年を記念する第5号は、4月10日に発行される。

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