砂川政教分離訴訟報告集会 支える会、弁護団が声明 2010年2月20日

 市有地を神社に無償提供したのは違憲と判断した1月20日の最高裁判決を受け、「砂川政教分離訴訟を支える会」(加藤正勝代表)は2月6日、市内で報告集会を開いた。原告の谷内栄さん、高橋政義さんと弁護団が報告を行ったほか、菱木政晴氏(同朋大大学院特任教授)が講演。「支える会」と弁護団は同日、それぞれ声明を発表した。
 「支える会」は声明で、最高裁が高裁判決より明確な違憲判断を下したことを評価する一方、「我が国の文化的、社会的諸条件」「一般人の評価等」「諸般の事情」「社会的通念」という曖昧な基準は「不要でありかつ有害」と非難。違憲と断定しながら札幌高裁に差し戻したのは不当であり、これまで市が違法解消のための協議を放棄してきたことから上告を棄却すべきだったとし、「氏子の信仰擁護との前提を持って政教分離原則を緩く考えるやり方こそが問題」と抗議した。
 原告が提訴に至った経緯にも触れ、「わが国の政教分離原則は精神的自由を保障するとともに、平和主義、国民主権主義とに関連する原理であり、政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こさせないための砦」と明言。
 富平判決については、「違憲状態を続ける砂川市と氏子集団をはじめから擁護するための便法」であり、「このようなことが全国に普及すれば、市に代わって、公共性のある町内会と神社の癒着を蔓延させることになりかね」ず、空知太判決とも矛盾すると指摘した。
 弁護団は、今回の違憲判決を「戦前の公権力と神社神道との結びつきがいまだ解消されず、地方自治体の財産が適切に管理されない状態になっていることに対する大きな警鐘」になると評価。
 富平判決については、「最高裁が空知太神社事件で採用した新基準(相当限度論)及び従来の目的効果基準の曖昧さを露呈し、政教分離原則の実現を足踏みさせるもの」と批判し、「自治体が町内会を地縁団体として認可し、境内地である公有地を無償譲与することは、……ひいては一人ひとりの地域住民の思想、信条、宗教などの自由を侵害するもの」「こうした事態の適正化は、町内会ではなく氏子集団が、無償ではなく適正価格で宗教施設の敷地を買い取り、所有者となることなどによって図られるべき」とした。
 声明は、「政教分離原則を緩和するような憲法20条等の変更や平和主義にかかわる憲法9条の変更はしないということをこの機会に確認したい」と結んでいる。

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