難民保護に動く神父へ脅迫 メキシコ上院が保護養成 2011年2月26日
メキシコで中南米からの難民が麻薬取引に引き込まれるなど虐待されるのを防ごうと努力しているアレハンドロ・ソラリンダ・グエラ神父。その神父自身に脅迫の手が伸びていることで、連邦政府に保護を求める動きが出ている。
カトリック系ZENIT通信によると、メキシコ上院が2月8日、連邦政府とオアハカ州当局に、同神父の保護を要請した。神父は、中米諸国からメキシコを経由して米国へ入国を図る難民のためのシェルター(保護施設)を運営している。
難民たちは身代金目当てに誘拐されたり、米国への麻薬密輸に利用されたり、麻薬カルテル間の抗争で殺人を強制されたり、と犯罪に利用されることが続発している。この虐待防止に神父が声を上げ救援活動に乗り出したことから、今度は神父自身が脅迫の対象になったもの。
「路の兄弟」と名付けられたシェルターも襲撃されている。中には難民を敵視し、犯罪者と見なす現地住民によるものもある。
このほど神父は、メキシコと中米諸国政府が、誘拐、強奪などの犯罪阻止を図ることなしに、問題の責任を押し付け合っている現状を遺憾だ、と指摘した。
神父によると、メキシコ政府は「国のイメージをきれいなもの」にできていない。ただ「犯罪がメキシコで行われていることも否定できない」にしても、とにかく犯罪とは戦わなければならない、と言う。(CJC)