反ユダヤ的発言でデザイナーを解雇 仏ディオール 2011年3月12日
仏ファッション・ブランド「クリスチャン・ディオール」は3月1日、チーフデザイナーのジョン・ガリアーノ氏(50)を解雇する処分を発表した。
ガリアーノ氏は2月24日、パリのマレ地区で、カフェテラスにいたカップルに反ユダヤ的な言動をしたとして警察に一時身柄を拘束された。警察関係者が25日明らかにした。
「クリスチャン・ディオール」のシドニー・トレダノ最高経営責任者は声明で、「ディオールは、反ユダヤ的または人種差別的な発言や態度を一切容認しないことを最大限の毅然とした態度で宣言する」と述べ、「聴取の結果が明らかになるまで、ガリアーノ氏を全職務から一時的に外した」と発表していた。
警察によるとガリアーノ氏は、ゲイコミュニティーやファッション業界に人気のカフェ「ラ・ペルル」で、隣の席のカップルと口論になった。同カフェは歴史的にユダヤ人居住者の多い地区にある。
男女2人のカップルは、ガリアーノ氏が英語で「汚らしいユダヤ人め、死んでしまえ」「気にくわないアジア人め、殺すぞ」などと語ったと言う。
ただ、カップルが隣に座って話しかけてきたガリアーノ氏を路上生活者と勘違いし、「汚らしい、気持ち悪い」などと述べていたとの証言もある。ガリアーノ氏は当初それを無視したが、カップルのうち女性に対して、「ブス、持ってるバッグも最低だ」と言ったという。(CJC)