留岡幸助の生涯 「大地の詩」完成試写 東京・中野 山田監督らあいさつ 2011年3月19日
石井十次や山室軍平、アリス・ペティ・アダムスとともに「岡山四聖人」と呼ばれ、感化院教育の実践家として知られる留岡幸助(1864~1934)の生涯を描いた映画『大地の詩 留岡幸助物語』が完成し、2月18日、東京・中野で舞台挨拶、完成試写会が行われた。
舞台挨拶には、山田火砂子監督、主演の村上弘明さん、工藤夕貴さんをはじめとする出演者が登壇した。
出演依頼が来るまで留岡について知らなかったという村上さんは、「(留岡という人物を知るため)監督に資料や本を送ってもらった。人は生まれながらにして皆、値打ちは同じなんだという宣教師の言葉に感銘を受けた」とあいさつ。
留岡の妻・夏子を演じた工藤さんは、「役者をやる上で重要なことに気付く年齢になってきた」と振り返り、「自分が演じたい役、そして何を人に伝えたいかということが非常に大事なのだと気付かされる作品になった」と話した。台本を読みながら感動のあまり涙したことも明かした。
さらに、出演したボランティアなど、この作品にかかわった人を「皆、心が純粋でまっすぐな方ばかりで、人間は捨てたものじゃないなと思った。世の中は暗い事件が多いけれど、熱い心をもった人がたくさんいることを作品を通じて感じた」という。
『石井のおとうさんありがとう』『筆子・その愛――天使のピアノ』など、社会福祉の先駆者を描いた作品を手がけてきた山田監督(基督聖協団練馬教会員)は、「どんなにすばらしい福祉映画だってつまらなければお客さんは帰る。この作品が良いものに仕上がったのは、俳優さんたちのおかげ」と舞台上の俳優陣をたたえた。さらに、「留岡幸助は決して二枚目ではないが、その優しさは、村上さんがもっている優しさに通じるものがある」と語った。