ファーストリテイリングとUNHCR 難民問題の解決向け提携 2011年4月2日
株式会社ファーストリテイリング(FR)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2月23日、グローバルパートナーシップの締結を合意。連携体制をいっそう強め、より広い分野での難民・避難民問題の解決に向けた活動に取り組んでいく。
FRは、着なくなった服を全国のユニクロ、ジーユーの店頭で一般客から預かり、UNHCRをはじめとした国際機関、NGO、NPOの協力でリサイクル・リユースする活動に取り組み、17カ国の難民・避難民に約312万2千点の衣料を届けてきた(2011年1月末現在)。
難民・避難民問題の根本的な解決を目指すUNHCRは、この活動で、衣料の不足状況だけではなく、現地の情勢や宗教、文化などに関する詳細なニーズを調査し、現地まで適切に輸送するという役割を果たしてきた。FRとUNHCRは、3600万人以上いる世界の難民・避難民に衣料を届けることを目指している。
今後、UNHCRがFRの従業員をインターンとして受け入れるプログラムを構築する。また、インターンシップ後は、UNHCRで培った経験をFR内にフィードバック。相互間での交流を行っていく。
さらに、日本で難民として受け入れられた人々に、ユニクロの店舗でインターンとして働ける人を募る。職業経験の場を設けることで、難民の自立支援につながる活動を目指す。
カトリック東京国際センター副所長の有川憲治氏の談話 昨年の日本政府への難民申請者は1202人。ここ数年、申請者が急増しており、1千人を超える申請数が続いています。一方、昨年認定され、日本政府から保護された方は、わずか39人。手続きには平均2年かかり、その間の公的な支援は限定的で、就労も許可されず、生活に困窮する申請者が急増しています。
また、複雑な難民認定申請手続きのため、申請方法や申請場所、機関が分からずに、超過滞在で摘発され、入国管理局に強制収容されてから難民申請をする方も多くいます。その際も、強制収容状態は解かれず、全国で207人(2010年6月末)が迫害を待つ国への強制送還に怯えながらも収容され続けています。
この状況に、多くのキリスト者が立ち上がり、各地で収容されている難民申請者への面会支援活動、仮放免手続き、仮放免後の生活支援を行っています。支援の輪が広がりつつありますが、住居等の支援が足りないのが現状です。
今回のFRの支援のように、難民への理解、支援が広がるのが望まれています。しかし、もっとも支援の必要な時期は、迫害を逃れ、日本に入国した直後です。支援の輪が、難民申請中の方へ広がるのを祈っています。