フロリダの牧師がコーラン焼却 アフガニスタンで抗議デモ 2011年4月16日
2001年の同時多発テロへの対抗策としてコーラン焼却を昨年9月に宣言して話題となった、テリー・ジョーンズ牧師。世論の反対を前に断念したと思われていたが、米フロリダ州ゲインズビルで3月20日、「模擬裁判」を行い、イスラム教の聖典を「有罪」とし、ウェイン・サップ牧師によってコーランが焼却された。
今回焼却に至ったのは、同氏がイスラム世界に対し聖典コーランの正当性を擁護する機会を設けていたのに、何の返答もなかったからだという。
コーラン焼却の現場に集まったのは30人ほどしかいなかったものの、米メディアが大きく取り上げて事態が一変。アフガニスタン各地で、4月1日からコーラン焼却に対する抗議デモが発生した。
北部マザリシャリフでは、暴徒化したデモ参加者が国連事務所を襲撃、国連の外国人職員7人、警備員4人、民間人3人の計14人が死亡した。
現地当局は襲撃に関わった30人近くを拘束。北部バルフ州のヌール知事は、反政府武装勢力がデモに乗じて攻撃したとの見方を示した。南部カンダハルでも2日、抗議デモが行われ、ロイター通信によると少なくとも市民9人が死亡、70人以上が負傷した。
一方、タリバンの報道官は2日、ロイター通信に「タリバンは関係していない」と述べ、抗議デモに乗じて攻撃を実行したとする政府当局者の見方を否定した。さらに3日、コーラン焼却について「この反イスラム的な行動を許さない。命を懸けて戦う」との声明を発表し、アフガン人に決起を呼びかけた。
抗議するデモがアフガニスタン国内で相次いだことに、ジョーンズ氏は、「暴動から市民を守る責任が国連にある」と語ったものの、自分に責任はないとしている。(CJC)