「統一協会問題キリスト教連絡会」バチカン訪問、現状伝える 2011年4月16日
統一協会による活動の違法性と反社会性を訴え、それらの問題に取り組むため、2004年に組織された諸教派の連合団体「統一協会問題キリスト教連絡会」は2月21~26日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪問した。日本におけるカルトの現状を説明し、世界規模で増大するカルト被害について、バチカン関係者と意見交換するのが目的。
今回の訪問には全国霊感商法対策弁護士連絡会、カトリック中央協議会、バプテスト連盟、日本聖公会から各1人、日本基督教団から8人が参加。訪問団はキリスト教一致推進評議会、諸宗教対話評議会、バチカン市国行政庁を訪ね、日本における統一協会の被害と、それらの問題に対する取り組みについて知らせた。
聖公会から参加した卓志雄(タクジウン)氏(東京教区司祭)によると、バチカン市国行政庁長官のジョバンニ・ラヨーロ枢機卿は、「統一協会をはじめとするカルトの問題に対する活動は『光と闇との闘い』である。『祈り』とカルト被害者に対する『愛』をもって福音を実践する『連絡会』の働きは極めて重要」と支持し、評価する意向を表した。
各機関の共通見解として、聖霊の導きと福音を通し人間の必要に応え、自由、解放、喜びが人類全体に与えられるように働くキリスト教は、「信仰」と「洗礼」が活動の土台となるべきであるが、福音を歪曲し、多くの隣人を苦しめ痛みつける統一協会は「キリスト教ではない」「宗教として対話の対象とはしていない」と表明した。
また、同連絡会の取り組みについて、異なるコンテキストによってそれぞれの地域で起きているカルトの具体的問題に対する取り組みは、ローカル教会間のエキュメニカルな連帯と諸宗教および各分野の協力によって対応していくことが大切であるとの意向が示された。