十字架のクギ?イスラエルの映画監督推測 2011年5月7日
イエスを裁いた大祭司カイアファ(カヤパ)の墓から見つかった約2千年前のクギ2本は、キリストを十字架にかけた時に使用されたものの可能性が高いと、イスラエルのドキュメンタリー映画監督が4月12日発表、イースター関連のニュースとしてメディアも取り上げた。
エルサレムで行われた「ヒストリーチャンネル」の新番組発表会見で、シムチャ・ジャコボビッチ監督が長さ約8㌢の曲がった鉄クギ2本を公開した。番組は、このクギがキリストの磔に使用されたかを検証する内容。
AFP通信によると、このクギは20年前、エルサレムにあるカイアファ家のものと思われる墓所を発掘した際に発見された。その後2本とも行方不明になり、写真やスケッチも残っていなかった。
ジャコボビッチ監督は、テルアビブ大学で、やはり20年前に発掘された同年代のクギ2本を偶然発見、カイアファの墓で見つかったものと確信したという。なぜカイアファが、処刑に使われたクギと一緒に埋葬されることを望んだのか。監督は、カイアファが罪悪感に苦しめられていたためではないかと推測する。
ただ40年にわたり墓を発掘しているテルアビブ・バルイラン大学のガビ・バルカイ教授は、ジャコボビッチ監督の主張には懐疑的だ。教授によると、問題のクギは確かに1世紀のものだが、厳密な年代は特定できない。「問題のクギがカヤパの墓で発見されたものだという証拠もない」と述べ、すべては可能性にすぎないとの見方を示している。(CJC)