〝根本的な改革だけが教会を救う〟 キュンク氏が新著で講演 2011年5月21日
カトリック教会は深刻な末期症状にあり、正直な診断と根本的な治療が必要だ、とカトリック神学者ハンス・キュンク氏が5月2日、ミュンヘンの「リテラトゥールハウス」で行われた、自著『教会はまだ救えるか』を紹介する講演の中で語った。世界教会協議会系のENIニュースが報じた。
キュンク氏は、最も率直に発言するカトリック神学者の1人。現教皇ベネディクト16世とは、かつてチュービンゲン大学で共に教えていた経緯がある。1971年、教皇の不謬性を問題にしたことで、カトリック神学を講じる資格「ミッシオ・カノニカ」を剥奪され、それ以後はチュービンゲン大学のエキュメニカル神学の教授になった。
性的虐待問題が表面化してから再燃してきた独身論議に関して、キュンク氏は「ローマ・カトリック教会は最初の1000年間、独身制なしで存在し続けてきた」として、司祭・司教に結婚を認めることに強く賛成している。
キュンク氏はもう一度、「教会はまだ救えるか」と問いかけ、数百万人ものキリスト者の期待に応えようとする教会のビジョンを捨ててはいないが、いくつかの条件が満たされなければならない、と語った。改革にあたっては、キリスト教的急進論、普遍性と一貫性が必要だとして、「希望をあきらめることはなかったし、これからも希望を持ち続ける」と言う。(CJC)