〝自然エネルギーへの転換を〟 日基教団奥羽教区 総会で声明 2011年6月18日
日基教団奥羽教区(邑原宗男議長)は5月25日、第66回定期総会において、「原子力発電、核燃料サイクルの中止と自然エネルギーへの転換を求める声明」を発表した。
同声明は、東日本大震災によって福島第1原子力発電所から放射性物質が拡散した深刻な事態を憂慮し、「不安を煽ることは慎まなければなりません。しかし、情報を全面的に開示して、国民に危機回避への協力を求めるべきではないか」と提言。
「原発の安全性が厳しく問われ、『原発は安全、大丈夫』という考えが誤りであったことが明らかにされ、全国で稼動する原子力発電への見直しの声が高まっています」とし、政府、東京電力、原子力安全・保安院が「直ちに健康への影響はない」「低い値だから、心配ない」と説明を繰り返しているものの、「原発周辺の住民の生活を崩壊させ、国民に不安を抱かせている責任は重大」と指摘している。
同教区は1987年5月の第42回定期総会において、「六ヶ所村核燃料サイクル施設建設に反対する決議」を採択して以来、「神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった」(創世記1・31)と記された世界が放射性物質で汚染され、自然を破壊させてしまうことに反対する姿勢を示してきた。
現在、トラブルが続き運転不能になっている核燃料サイクル・再処理工場について、六ヶ所村の井戸水から高濃度の「ストロンチウム90」が検出されたこと、本格稼動した場合には2兆1930億円もの建設費がかかるなどの理由から、「稼動を直ちに凍結し、中止すべき」と主張している。
今回の事故を受けて政府が、「原発に過度に依存しない電力確保を目指す」と発表したことを歓迎した上で、「私たちは、必要以上に電力に依存してきた私たち自身の生活のあり方を見直しつつ、脱原発社会の実現を目指して、全ての原子力発電所と核燃料サイクル施設や核燃料加工施設等の稼動を中止し、それに替わるエネルギーへの転換を推進することを強く求めます」と訴えた。