日基教団駒場エデン教会 オリジナルCDで被災者励ます 2011年6月18日
「自分たちの教会から新しいゴスペルソングを誕生させたい」と、日基教団駒場エデン教会(東京都世田谷区)の信徒が有志で集まり、CD『五月の空のように』を自主制作した。売り上げは、教会を通じて義援金として東日本大震災の被災地に送っている。
このCDは、同教会の牧師である笹森建美さんの詩集をもとに制作されたもの。笹森さんは「日頃の神への想いと祈り」を詩の形で表現したいと詩作を続けており、1968年に最初の詩集を刊行。昨年、2冊目の詩集『祈りと讃美の詩(うた)』(キリスト新聞社)を出版した。
この詩集を読んだ教会員の岩永嘉弘さんと中谷英一郎さんが中心となり、「五月の空のように」「神は人を」「愛があるなら」の三つの詩に曲を付け、教会のコーラスチームが歌を録音。
笹森さんの詩の「優しく、日常的なところに共感した」という岩永さん。現在、企業や商品のネーミングを手がける「ロックスカンパニー」の主筆を務めている。「日本で最初のネーミングライター」として、数々のネーミングやキャッチフレーズを考案してきた「言葉のプロ」だ。
CDを作成するにあたって、もともとの詩の文章が歌のために書かれたものではなかったため、笹森さんに相談しながら言葉を補足していった。作者である笹森さんは、言葉を変えることに抵抗がなかったわけではないというが、「岩永さんが感覚の鋭い人なので、多くの人に響くのではないか」と協力した。
作曲は、音響関連の仕事に携わる中谷さんが担当。中谷さんは、シンガーソングライターのギター伴奏や編曲も行っており、今回のCDでも、ギター伴奏で歌える曲調を目指した。「みんなで歌う」ことを大切にし、作曲した5曲の中から、オーソドックスな3曲を選定した。
録音は東日本大震災の翌日、3月12日に行われた。偶然にも3曲とも被災者を励ますような内容で、特に3曲目の「愛があるなら」は、「被曝の人々へのいわれのない偏見や差別を戒める歌になった」という。
CDはイースターの4月24日に教会で発表した。最初に制作した200枚は教会内で売り切れてしまい、すぐに増刷。集会などで歌われている。
CDを聴いた笹森さんは、「分かりやすい歌で、若い人向けで歌いやすい」と話す。岩永さんも、「中谷さんの曲調は歌いやすくてよかった」と喜んでいる。現在第2弾の準備を進めており、教会内で作曲や作詞の募集も開始した。
CD『五月の空のように』は500円(送料別)。申し込みは、駒場エデン教会(℡&FAX03・3412・6986)までファックスで。