第35回キリスト教美術展 作品通し信仰を告白 2011年6月25日

 35回目を迎えたキリスト教美術展が6月8日~19日、日基教団銀座教会・東京福音会センター(東京都中央区)で開催された。今回は、上野泰郎、田中忠雄、渡辺禎雄の3氏の作品が賛助出品され、滝沢具幸氏、馬越陽子氏による特別出品を含む計25人による52点の絵画、版画、彫刻が展示された。また、8日には記念レセプションが開催され、記念誌『キリスト教美術展 35回の歩み』が発行された。

 1993年の第17回展から出品を続けている画家の渡辺総一さんは、本紙の取材に対し、「あっという間に回数を重ねていた」とこれまでをふり返った。宮城県石巻市の出身ということもあり、東日本大震災後は被災地を思い浮かべながら作品を作ってきた。「『泣いている人々は、幸いである……笑うようになる』という言葉のように、困難の渦の中で笑えるようになるのは、神の根拠があるから」と考え、「笑うようになる」という作品を制作。同作を含む計3点を出品した。

 同展を主催するキリスト教美術協会事務局の早矢仕素子さんは、「キリスト教音楽は教会の中に根付いているが、美術はまだ広まっていない。われわれは絵や彫刻で自分の証しをしながら、信仰を告白している。展覧会で作品を見ていただくことが一つの伝道活動になる。亡くなられた(設立者の)先生たちの火を絶やさないように続けていきたい」と語った。

 同協会は、カトリックの佐々木松次郎氏と、プロテスタントの田中忠雄氏が、それぞれ指導的立場で開催してきた美術展を発展的に解消し、1972年に設立。翌年、第1回キリスト教美術展を東京・四谷の聖イグナチオ教会で開催し、9人が絵画や彫刻を出品した。その後、開催できない年が4回ほどあったが、会場を変えながら毎年開催を続けてきた。03年の第27回展より、東京福音会センターを会場としている。

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