創立125周年の矯風会 全国大会 柳田邦男氏「言葉の力」再考 2011年7月2日

 財団法人日本キリスト教婦人矯風会(佐竹順子会長)は、2011年度の全国大会を6月16、17の両日、東京都新宿区の矯風会館で開催した。17日には、ノンフィクション作家の柳田邦男氏による大会記念講演会を行った。

 「言葉の力、生きる力」と題して話した柳田氏。現在、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会のメンバーを務める。NHKを38歳で退職し、以後、作家として活動してきた。

 柳田氏は現在75歳。高齢になっても、その人を支える「健康の源」は何か。人間のいのちは、肉体だけではなく、「精神的ないのち」が問われつつあり、とりわけ言葉のもつ力について持論を展開した。

 「たった一つの言葉がその人を救い、一言ひとことが絶望の淵にいる人を生き直させることができる」。言葉をめぐるエピソードとして、難病であるALS患者や、小学生のときにいじめで自殺を考えるまで追い込まれた経験をもつ女性の話をした。

「みことばに応えて共に支えあう社会へ」を主題にした全国大会には、北海道から沖縄までの会員が参加、今年度の活動方針や事業報告などが発表された。

 16日、「これからの矯風会」を話しあう場が設けられた。「3・11」をどう捉えるのか、いわきから参加した黒須敦子氏、鹿児島から参加した飯田瑞穂氏が提言を行った上で、小グループに分かれ、会員同士、意見を出し合った。

 神戸から参加した会員は、東日本大震災の報道で、阪神淡路大震災のことを思い出し、身体の具合を悪くしている人も出ていることを述べた。「16年も前のことなのにフラッシュバックしてしまう。建物は直っても精神的なものは打撃を受けやすい」と話した。

 矯風会は、現在、公益財団法人への移行申請準備中。

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