被災地支援と「免職」めぐり議論 日基教団全17教区で総会終える 2011年7月23日
日本基督教団(石橋秀雄総会議長)17教区は4月末から6月にかけて、2011年度教区総会を行い、今年度の活動計画や予算案などについて審議した。今回は3月11日に起きた東日本大震災を受けて、被災3教区(奥羽・東北・関東)への支援のあり方や、新体制が打ち出した「伝道する教団」の姿勢、北村慈郎氏への「免職」処分などをめぐって議論された。教団機関紙「教団新報」は6〜7月の4回にわたって総会の報告記事を掲載。「教区総会を振り返って」と題して寄稿した内藤留幸総幹事は、教団と教区の関係について「一つ間違えると教団は教区連合体のようになってしまう」と危惧した上で、「教団がまずあって信仰告白、教憲教規に基づいて教会形成がなされていくのである。宣教活動を有効にすすめていくために17教区が置かれているということを、わたしたちは正しく認識していなければならない」と総括した。
奥羽教区(邑原宗男議長)では、「教区内被災協会支援会計」を時限的別途会計として設置したこと、3月末現在、教団、各教区、教会、個人などから震災見舞金、支援金として1600万円が届けられたことが報告された。
東北教区(高橋和人議長)では、教区全体の連携、教団・被災教区との連携、東北教区東日本大震災教会救援特別会計の設置、東北教区教会救援復興委員会の設立、教区被災者支援センターの設立について議論され、「震災被災地の復興支援、未確定要素の大きい原発問題、風評被害対応、牧師のケアの問題を含めて、教区が一丸となって他教区や教団との連携の中で、できうる限りの取り組みをすること」が確認された。
大阪教区(向井希夫議長)は、教区として1千万円を「第二特別資金」から振り替え、支援活動の資金とすることを可決。四国教区(黒田道郎議長)では追加議案として、教区予算から200万円を「日基教団東日本大震災緊急救援募金」に献金し、救援・支援に関する新たな会計項目を設けることが提案され、可決した。九州教区(深澤奨議長)は、被災教会牧師・信徒の受け入れ、交替説教者の派遣、原発の新規・増設計画の白紙撤回、既存原子炉の停止と廃炉、自然エネルギー発電の開発・推進などを提起する建議を、賛成多数で承認した。
未受洗者への配餐による「免職」処分をめぐっては、引き続きさまざまな意見が交わされたが、教団問安使として総会に出席した石橋議長は、「戒規は終わったのではなく、『免職中』である。悔い改めて復帰へと進まれることを願っている」と応じた。
西東京教区(大村栄議長)では、「教団総会の際に選挙や議案の賛否を指示するマニュアルが秘密裏に配布」されていることについて、「会議制を揺るがす行為」との批判が出され、東京教区(木下宣世議長)でも、常置委員選挙に際して「推薦候補者のリストがペーパーの形で配布されることの是非」をめぐって意見が交わされた。