キャンパス・クルセード・フォー・クライスト 60周年で「Cru」に改称 2011年8月6日

 【CJC=東京】ビル・ブライト牧師とヴォネット夫人が米フロリダ州オーランドで1951年に創設した学生伝道団体「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト」が、60周年を迎え、名称を「Cru(クルー)」に変更することを決めた。コロラド州フォートコリンズで7月19日開催したスタッフ会議で決定したもので、「これまでの名称では不都合な事態になったため」という。
 キリスト教宣教・伝道団体やメディアなどでは、「つわもの」「騎士」「旗」や「軍」とか、「平和」と相容れない名称を使っている例が多い「クルセード」もずばり「十字軍」だ。原理主義など、他宗教排撃を当然とする人からは異議が出そうだが、「平和」を志向する動きの中で、さらには活動の実態から外れてきたとか、奉仕活動のようにキリスト教の枠をはみ出した場合など、改称を考え、実行した所も出ている。
 米YMCAは2010年に「ザ・Y」に改称、また英YWCAも「プラットフォーム51」に改称した。
 「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト」米国担当のスティーブ・セラーズ副会長は「キャンパス」と「クルセード」の双方に問題が出てきた、と言う。
 「キャンパス」に関して見ると、すでに学校に留まらず家庭、アスリート、軍、都市などの各分野で伝道を展開している。「クルセード」と言えば、かつては著名な大衆伝道者ビリー・グラハム牧師がスタジアムなどで開催した大規模伝道を意味していた。「今日では、クルセードというと、歴史的な意味合いが強く、十字軍時代を想起させ、中東がらみでは使用することが適切ではなくなってきた」と言う。
 「クルセード」という言葉を避けようとしているのは、「Cru」だけではない。グラハム牧師の母校イリノイ州の「ホイートン大学」は2000年にマスコットを変更している。グラハム牧師の子息フランクリン氏は「フェスティバル」を使っている。
 教会名自体の変更も、メリーランド州ロックビルの「クルセーダー・ルサラン」教会が「リビング・フェイス・ルサラン」教会のような例がある。
 「Cru」となると「キャンパス」や「クルセード」だけでなく「クライスト(キリスト)」もなくなってしまうではないか、とウエブサイトで指摘され、「キリスト教色の強い名称ではそっぽを向くような人ともキリストについて、議論も可能になる。わたしたちの世界に対する働き掛けやコミュニケーションが最高の名誉であり、キリストの栄光を称えるものである、と信じる」と回答している。
 「Cru」はすでに大学のキャンパスでは使用されている。またカナダの提携団体では「パワー・トゥ・チェンジ」、ヨーロッパでは「アガペ」を名乗っている。ただ包括団体「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト・インターナショナル」は今のところ改称の予定はない。

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