英 暴動の街で平和を求めて 2011年9月3日
宗教団体が共に「癒し」の手
【ロンドン=ENI・CJC】ロンドンから始まって英国各地に広がった若者による店舗や事務所の襲撃に対し、キリスト教会はじめ宗教団体が対応に乗り出した。各地の教会は、愕然とする住民に援助を申し出ている。
8月6日に暴動が始まった場所近くのトテナムにある「セントメリー・ザ・バージン教会」は、停電している地域に食事を配り、湯も提供、携帯電話の充電サービスも行っている。「セント・マークス・メソジスト教会」のヴァレンティン・デジ牧師は、警察に殺害されたことが判明したマーク・ダッガン氏(29)の家族のためにケアを行っている。この殺害への抗議が8月6日のデモになり、暴動にまで発展した。スタンフォード・ヒルの「セント・イグナチウス・カトリック教会」は、食糧を提供、カウンセリングも行っている。
8日夕、キリスト者、イスラム教徒、ユダヤ教徒らがトテナムで徹夜祈祷会を行ったが、同様の催しはさらに計画されている。
在英ユダヤ人団体の宗教間関係担当フィル・ローゼンバーグ氏は、ロンドンのさまざまな宗教団体が共に行動するのを見て、「わたしたちすべてにこのように優しい都市」が再建されることは確かだ、と語った。
イスラム教では、フェンスベリ・パーク・モスクの報道担当が、皆が暴動を懸念し、さまざまな方法で平和を打ち立てるために働こうとしている、と語った。
カトリック教会ウエストミンスター教区のヴィンセント・ニコルズ大司教は声明で暴力を非難、祈りを求めた。
折から南アのダーバンでの会議に出席していたメソジスト会議のレオ・オズボーン会長は、皆が暴動のことを聞いて深く悲しんでいる、と語った。