東北アジア・キリスト者文学会議 長崎 2011年9月24日
第13回東北アジア・キリスト者文学会議が8月4~6日、「キリスト教文学と文化」を総主題として、長崎カトリックセンター(長崎市)で開催された=写真。同会議は、1987年から1年おきに日本と韓国で開かれている。目的は、「日韓の文学者の交流と相互理解の促進」「文化の異なる双方からの検証によって自らの文学の本質をよりよく知ること」の二つ。
今回の参加者は、韓国から15人、日本から16人。初日には、レセプションと第7回アジア・キリスト教文学賞授賞式が催され、長年、詩作に献身してきた詩人の坂井信夫氏が同賞を受賞した。
奥野政元氏(活水女子大学前学長)は、「キリスト教・長崎・遠藤」と題する主題講演で、長崎と遠藤周作の受難を根底に据え、ゆかりのある遠藤の『沈黙』を、文体論や構造論によって分析した。
2日間の会議において取り上げられた作家・詩人、作品および発題者は以下のとおり。
日本の小説▼三浦綾子『塩狩峠』・李鍵淑、上出恵子/韓国の詩▼尹東柱「序詩」「自画像」・金應教、きどのりこ/日本の詩▼安西均「第一課」「青い瞳」・李郷莪、田中俊廣/韓国の小説▼黄順元『動く城』・金承哲、柴崎聰。
3日目の午後は、バスで、長崎市外海にある遠藤周作文学館、黒崎教会、ド・ロ神父記念館、平和公園、長崎原爆資料館などを訪れた。
なお、第14回の文学会議は、2013年8月にソウルで開催される予定。