『侍とキリスト』の著者来日 2011年10月22日
〝ザビエルは最初の特派員〟
東京特派員の経験をもつスペイン人ジャーナリストが、フランシスコ・ザビエルを主人公にした小説『侍とキリスト』(原題『DAINICHI』)を平凡社から刊行した。著者のラモン・ビラロさんが9月に来日し、都内で出版記念会見を行った。ザビエルの血をひくルイス・フォンテス神父(イエズス会福岡修道院)と、ザビエルを日本に連れてきたヤジローの子孫である池端清俊さんも会見に駆け付け、400年の時空を超えて結びついた。
多神教の国で「唯一の神を、日本人にどう教えていくのか」――。同書は、2年3カ月間におよぶザビエルの日本滞在を描く。執筆にあたり、ザビエルが書き残した書簡と、ジョアン・ロドリゲス著『日本教会史』、ルイス・フロイス著『日本史』を参考にした。
ビラロさんはスペインの日刊紙「エルパイス」の海外特派員として、ブリュッセル、ワシントンへの駐在を経て1986年に来日。東京支局を立ち上げた。特派員時代は政治、経済のニュースを書いていた。ザビエルのことは来日してから知ったという。「日本では有名だが、スペインではそれほどではない。日本で特派員をすることがなかったら知ることはなかった」と振り返った。
ザビエルを「冒険者」と評するビラロさん。宗教以外についても「視野の広い人で、彼は日本で最初の特派員だった」とたたえた。