日本国際飢餓対策機構が支援 被災者の住宅が教会に 2011年12月3日
東日本大震災により300人を超える犠牲者を出した宮城県亘理地区で11月19日、被災した教会員の自宅を改修して作られた「亘理聖書キリスト教会」(熊田康之牧師)の開所式が行われた。宮城県南部の新たな復興支援の拠点として、今後の働きに期待が寄せられている。
同教会は、津波で浸水の被害を受けた塩釜保守バプテスト教会員の向後清次郎氏の自宅。国際飢餓対策機構(岩橋竜介理事長)のボランティアらによって、亘理町での住宅補修や地元漁師への復興支援活動が拡大していく中、向後氏から「被災者支援活動のために活用してほしい」との申し出を受け、熊田氏や同機構などで建物の改修を進め、新たに教会と地域復興のボランティアセンターとして誕生することになったもの。
当日はこれまで建物の泥だしや補修などの応援を行った地元亘理町民をはじめ、宮城県下および他府県から教会の牧師、ボランティアら80人以上が集い、1階の礼拝堂は立ち見がでるほどの人であふれた。
開所式では、同地区でボランティアリーダーとして緊急及び復興支援を続けてきた熊田氏が、「飢餓対策機構を通じて国内外から多くのボランティアの方々が継続的に支え続けてくださり、その中で牧師として地域の人々に仕えていくことを通して、主の召しを確信しました」と報告。
牧師任命式では、塩釜保守バプテスト教会牧師の大友幸一郎氏、日本基督教団仙台市民教会牧師の川上直哉氏、同機構常務理事の清家弘久氏らから、激励や期待のメッセージが贈られた。
式典に参加した地元町民の一人は、「これからの復興のために、この教会が地元に根ざしたものとなってほしい」と語った。
同機構は、東日本大震災の緊急および復興支援活動の一環として、教会と信徒リーダーを中心とする地域の変革を実現するビジョンの実現を願い、教会堂の整備と地域での復興支援活動をさまざまな形で支援してきた。
亘理聖書キリスト教会では、引き続き被災地伝道の働きのために支援者を求めている。問合せは「熊田康之を支える会」(℡0568・97・3623)まで。