日本バプテスト連盟 第57回総会 「福島原発震災の今を生きる私たちの声明」 2011年12月10日
日本バプテスト連盟(奥村敏夫理事長)は11月9~11日、天城山荘(静岡県伊豆市)で第57回定期総会を開催した。東日本大震災の支援活動報告が行われ、被災地にある教会の牧師やボランティアに参加した牧師からの発言もあった。また、ルワンダから一時帰国した国際ミッション・ボランティアの佐々木和之氏が、「償いのプロジェクト」における神の和解の働きを紹介しつつ、震災で突き付けられている神学的問いに重ねながらメッセージを語った。
2012年度の被災地支援活動計画をめぐっては、「キリスト者と原子力推進者との和解はどうなるのか」との質問に対し、「十字架の前では自分と考えの異なる者を『敵対視』する認識にはならない」、「『賛成』とか『反対』の前に、まず福島に足を運んでその呻きを知ってほしい」などの意見が交わされた。また「神学的問いを本気で考えるための予算確保を」、「子どもたちの命を守る視点をしっかり押さえて具体化を」などの要望が寄せられた。
一方、「支援活動には賛成だが、ひっ迫している一般会計予算からの500万円繰入には反対。募金で対応してほしい」という修正意見の取り扱いを巡り、議論が紛糾した。
あゆみの家教会など11教会の提案による「福島原発震災の今を生きる私たちの声明」をめぐっては、放射能によって家族や地域が散り散りにさせられている状況を報告し、「国の話は信用できない。教会だけは何とか明るくしようとぎりぎりのところで踏みとどまっている」と語った。審議は2日間にわたって行われ、「原発と核武装とは似て非なる部分もあるので、もっと丁寧に聴いていきたい」などの意見が交わされ、採福島原発震災の今を生きる私たちの声明決の結果、賛成多数で承認された。