映画『マシンガン・プリーチャー』 2012年2月4日
危険に満ちたアフリカの紛争地帯、スーダン。ここで拷問や強姦、搾取される子どもたちの救出活動を続けているサム・チルダースの実話である。
あるとき、ボランティアの一環でスーダンの難民キャンプを訪れたチルダースは、ジョゼフ・コニー率いる神の抵抗軍(LRA)の脅威にさらされている子どもたちの姿に衝撃を受ける。
チルダースは麻薬やアルコールにおぼれ、暴力と犯罪を繰り返し刑務所の厄介になる生活を送っていたが、ある事件をきっかけに教会の礼拝に出席し、改心する。神を信じ、生き直すことを決意したチルダースは、広漠たる大地に教会や孤児院を立てる。
正義感や情熱に溢れていたものの、本当の試練はこれからだった。200人の孤児を預かり、1千人に食事の提供をするための運営費をねん出するのは容易ではない。さらに拉致された子どもをLRAから取り戻す戦いに乗り出すが、ときに自分が救うべき少年兵たちを、敵にまわさねばならないことは、一層彼の心を苦しめた。
米国に帰国してもスーダンのことが頭から離れないチルダースは、次第に誰彼かまわず攻撃的になっていく。
“銃を持った牧師”としてその使命に燃えるチルダースに、「あなたのやっていることは傭兵と同じ」と冷徹に告げる者もいる。実際に、何百人もの子どもが殺戮されている現状とはいえ、銃を持ち戦うことを決意した“牧師”に疑問をもつ人もいるという。主演のジェラルド・バトラーには、実在のチルダースが憑依しているようだ。
2月4日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか全国ロードショー
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