教皇、メキシコとキューバを司牧訪問 市民ら熱烈な歓迎 2012年4月7日
教皇ベネディクト16世は3月23日、メキシコとキューバへの司牧訪問に出発した。メキシコへ向かう機内で、同行した報道陣の質問に答え、キューバの政治体制について「マルクス主義がもはや現実に対応していないことは明らかだ。新たなモデルを見つけなければならない。忍耐と決断が必要だ」と述べ、体制の変革を促した。
メディア報道によると、キューバの反体制派が教皇訪問の直前にも拘束されていることについて、「教会は常に自由を重んじる側にある。良心と信教の自由の側だ。対話によって心の傷を取り除き、公平で友愛な社会をもたらすことを後押ししたい」と述べた。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は同日夕、メキシコのグアナファト国際空港に到着、フェリペ・カルデロン大統領はじめ政府要人、現地の教会関係者に迎えられ、空港での歓迎式に臨んだ。
信仰・希望・愛の巡礼者としてこの地を訪れたと述べた教皇は、この出会いを通して皆のキリストへの信仰を強め、み言葉と秘跡、日々の行いをもってその信仰をより生き生きとしたものとするよう励ましたいと、抱負を示した。
教皇のメキシコ訪問は、ヨハネ・パウロ2世の2002年の5度目の訪問以来10年ぶり、また同地方の訪問は初めてということもあり、市民の歓迎は大変な熱気に包まれた。空港から教皇の宿泊先となるレオン市内の「ミラフローレス神学院」までの34㌔の道のりには推定70万人が集まった。
24日朝、同神学院でミサを捧げた教皇は、午後、州都グアナファト市に向かい、州庁舎「カサ・デル・コンデ・ルル」でフェリペ・カルデロン大統領と会見した。バチカンとメキシコがそれぞれ積極的に取り組んでいる、今日のさまざまな問題について意見が交換された。
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メキシコ訪問を終えた教皇は26日、キューバ東部のサンディアゴ・デ・クーバに到着した。
教皇は28日、フェデル・カストロ前国家評議会議長と30分間会談した。またハバナの華命広場で野外ミサを行った。ラウル・カストロ議長や市民約30万人が参加した。(CJC)