新島学園短期大学にドリアン助川さん 〝原発問題に目をそむけるな〟 2012年7月7日

 新島学園短期大学(群馬県高崎市)は6月12日、特別チャペルアワーとしてドリアン助川さん(歌と語り)とピクルス田村さん(ギター)による「アルルカン」のライブを同短大礼拝堂で開催した。学生や教職員など約200人が参加した。

 歌と語りのバンド「叫ぶ詩人の会」で活動する傍ら、ラジオパーソナリティとして人生相談を通して中高生の支持を得てきた助川さんは、明川哲也という作家名で詩や小説も書いている。2008年からは、歌と語りの道化師ユニット「アルルカン」としてライブを全国で展開している。

 「悩んだらまず歩きだそう。80分間世界一周!」を演題とした今回のライブでは、「詩人・草野心平(1903~1988年)が生きていたら、故郷のフクシマをどう描くのだろう?」を隠れたテーマに据え、架空の相談者のさまざまな悩みに歌と語りで応答。「どこかに連れてって」とせがむ相談者とともに、ゴミにあふれたナポリ、地雷の埋まる内戦中のカンボジア、そして東京電力第一原発事故の警戒区域に瞬間移動。原発の問題に目をそむけてはいけないと訴え、故郷を歌った草野さんの詩を取り上げた。

 学生からは、「草野心平さんの詩に感動し、心温まるやさしい気持ちになった」「通常のチャペルアワーで震災を覚えての祈りを続けていたので、すごく考えさせられる内容だった。国単位だけでなく個人において悩むこと、憤りを感じることがたくさんあって、原発も含め、それらに対してそこで立ち止まることなく前進することが大切だと思った」などの感想が寄せられた。

 同学園は毎週火曜日にチャペルアワー(礼拝)を行っており、6月には特別チャペルアワーとして、同学園が大切にしている精神(キリスト教、新島襄)と共通する精神で活躍しているゲストを招き、ライブや講演会を行っている。

 昨年から「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマの信徒への手紙12章15節)の言葉を掲げている同学園。被災地をテーマに独自の視点でつづられる「アルルカン」の歌や語りが、震災後をともに生きるための新たな力や励まし、視点を見出すヒントになるのではと考え、今回助川さんらをゲストに招いた。

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