「ふくしまHOPEプロジェクト」設立 子ども守る保養プログラム提供 2012年9月22日
福島第一原発事故による放射能汚染により、健康被害の危険にさらされている福島県下の子どもたちとその保護者に、一時的に放射能の影響の少ない地域で過ごす「保養」プログラムを提供しようと、福島県下の教会協力ネットワークである「福島県キリスト教連絡会」のもとに「福島県キリスト教子ども保養プロジェクト」(通称「ふくしまHOPEプロジェクト」)が設立された。
9月4日に郡山市のミッション東北郡山キリスト福音教会で行われた設立式には46人が参加。県内の牧師や信徒に加え、県外からも支援団体などの関係者が集った。
同教会牧師で、プロジェクトの代表を務める木田恵嗣氏(福島県キリスト教連絡会代表)は、「信仰の祈り」と題する説教で、「震災以後、さまざまな支援が行われてきたが、今一番求められているのは子どもたちのいのちを守ること」「多くの助けの手が差し伸ばされてこのようなプロジェクトを始めることができた。今後もますます助けを願い求めていきたい」と語った。
プロジェクトの説明に続き、安藤能成氏(日本福音同盟理事長)、河成海氏(東日本大震災救援キリスト者連絡会運営委員)、上代謙氏(ふくしま教会復興支援ネットワーク代表)からそれぞれ祝辞と期待の言葉が寄せられ、全員で被災地のため、プロジェクトのために祈りをささげた。
設立式に先立って、午前中には共同運営委員会(福島県キリスト教連絡会、東北ヘルプ、クラッシュジャパン、3・11あおもり教会ネットワーク、日本国際飢餓対策機構、日本同盟基督教団震災復興支援本部)による設立総会が開かれ、規約の承認、運営・会計の報告、向こう5年間の活動期間の確認を行い、代表に木田、会計に久場政則(福島県キリスト教連絡会、保守バプテスト同盟北信カルバリー教会牧師)、監査に永井敏夫(クラッシュジャパン副代表理事)、事務局長に朝岡勝(日本同盟基督教団震災復興支援本部事務局長、同教団徳丸町キリスト教会牧師)の各氏を選任した。
委員には他に、五十嵐賢志(3・11あおもり教会ネットワーク世話人、日本福音キリスト教会連合五所川原福音キリスト教会牧師)、川上直哉(東北ヘルプ事務局長、日基教団仙台市民教会牧師)、田村治郎(日本国際飢餓対策機構啓発総主事)の各氏が名を連ねている。
福島県キリスト教連絡会は、昨年11月に福島県放送伝道を支える会が母体となり、各地の教会ネットワークが互いに協力し、情報を共有し、支援活動を円滑に進めるために設立された。
ふくしまHOPEプロジェクトの活動内容は三つ。①各支援団体およびキリスト教会と協力して、教会関係のみならず、地域の一般家庭の子ども保養を目的とした宿泊プログラムなどを企画、開催する。②ホームステイを希望する家庭のために、保養先の斡旋や情報提供を行う。③その他、設立の趣旨を果たすために幅広く内外の協力を求め、その実現のために活動する。
同プロジェクトは7月25~27日、ふくしまHOPEキャンプ第1弾を岩手県のシオン錦秋湖で、第2弾は8月20~22日、会津自然の家(福島県河沼郡)で開催した。今後も、定期的な保養キャンプの開催やホームステイプログラムを中心に活動していく予定。事務局では諸教会、個人の支援を求めている。詳細はプロジェクトのホームページ(http://www.fukushimahopeproject.com/)、または事務局(℡080・2341・9940)まで。