〝福島の応援続けよう〟現地で震災支援「メサイア」 日本聖書協会 2012年10月6日

 日本聖書協会(大宮博理事長)は「東日本大震災、復興支援プログラム3・11を忘れない~愛の虹プロジェクト メサイア2012~福島」を、9月8日、福島市音楽堂大ホール(福島市入江町)で開催し、ほぼ満席の千人が来場した。演奏指揮は小田彰氏(ライトハウス田園調布チャペル牧師)、合唱は「愛の虹合唱団」。演奏には仙台フィルハーモニー管弦楽団などからの応援もかけつけた。

 同合唱団は、福島で今回のために募集・結成したメサイア初挑戦者も参加する33人と、全国各地からの有志のメサイア経験者36人、さらにプロの合唱団30人の合計99人で構成された。

 福島で準備のため結成された実行委員会の、上代謙実行委員長(ふくしま教会復興支援ネットワーク代表、キリスト兄弟団福島教会他牧師)、野村治事務局長(日本ルーテル教団福島いずみルーテル教会牧師)らの働きかけにより、教派を超えた協力があった。また後援の地元メディアによる告知の徹底があり、地元合唱団募集にはキリスト者ではない人も多数応じ、会場には浪江町他数ヶ所の仮設住宅からの参加者らの姿もあった。

 同協会の渡部信氏(総主事)は「福島は津波被害や原発汚染などで、被災3県の中で支援者が現地入りをしにくい、最も支援が遅れている県です。人口も急減する中で、福島の教会と市民の皆さんとの協力の下に開催したメサイアコンサートは、遠く九州や関西から合唱に参加された方もあり、主から励ましと希望を与えられました。仙台フィルの一部も加わり、来場者と共に、主こそ『悲しみの内にある人々を癒す真の救い主である事』を賛美し、コンサートの最後には讃美歌の『やすかれわがこころよ』を皆で賛美して、一同深い感動の時を持ちました。ぜひ皆さんも福島の応援を続けましょう」。

 指揮者の小田彰氏は「メサイア演奏を始めてから40年以上になりますが、最も感動的なコンサートでした。それはまたイエス・キリストの慰めのみ手を強く意識した時間でした。1741年夏、落胆していたヘンデルに届けられたジェネンズの詞メサイアが、ヘンデルを感動させたばかりでなく、270年以上もたって福島の人々をもこれほど慰めることになろうとは誰も想像もしなかったでしょう。ゼロから仕上げられた福島の合唱団と指導された伊澤幸子先生に心から拍手を送ります。ハレルヤコーラスで全会衆が立ち上がり大胆に歌われたことは驚きでした。最後に千人で歌った『やすかれわがこころよ』は今も私の心に鳴り響いています」と語った。

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