神学生有志のセミナー 後宮俊夫氏が講演 2012年10月13日
神学生有志による「21世紀の教会を担う神学生&若手牧師による神学セミナー」が9月10、11日の両日、カトリック大阪梅田教会(大阪市北区)で行われた。今年3月に続く2回目の試みで、主催したのは東京神学大学、同志社大学、関西学院大学、ルーテル学院大学、東北学院大学などの神学生及びキリスト教学科の学生ら。牧師、伝道師を含む13人が参加した。
「『聖なる公同の教会』と主の『教会』における一致」との主題に基づき、初日は中村敏氏(新潟聖書学院校長)による日本キリスト教史概論、2日目は後宮俊夫氏(元日基教団総会議長)による主題講演が行われた。
中村氏は宣教の課題として天皇制と日本人の精神構造を挙げ、戦時中に行われた富田満統理の伊勢神宮参拝、ホーリネス教会への弾圧と教団の対応、戦後における離脱問題と1967年の戦責告白、万博問題だけではなく、多くの宣教師の来日と新教会の設立などについて、福音派の視点から語った。
後宮氏は自身の証しも交えて、ちいろば先生(故榎本保郎)との出会いから始まり、議長に選出されるまでのいきさつを紹介。戦時中、海軍での経験を語る場面もあった。
中村氏は、「所属神学校や教派の枠を超えて、良き相互研鑽と交わりの場となっていることを嬉しく思う。私自身は福音派に属する者だが、以前に比べ伝統的教派と福音派が対立的ではなく、建設的な対話ができるようになったと思う。今、日本の教会は危機の時代とか閉塞の時代と言われているが、さまざまな懸案に取り組むため、まず過去の歴史から教訓を学ぼうという姿勢は大切だと思う」と期待を込めた。
次回、第3回は来年3月上旬、総合テーマは「教会と社会」。講師に関田寛雄、栗林輝夫、東谷誠、三橋恵理也の4人を予定している。