カトリック教会「信仰年」開幕 「霊的な砂漠化」からの旅立ち 2012年10月27日
教皇ベネディクト16世は10月11日、バチカンのサンピエトロ広場でミサを捧げ、第二バチカン公会議50周年を祝うと共に、「信仰年」を正式に開始した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、ミサには、世界各国から集まった枢機卿・司教らおよそ400人のほか、正教会のコンスタンティノーポリスのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世、英国国教会のローワン・ウイリアムズ・カンタベリー大主教らも参列した。
「入祭唱」と共に、現在開催中のシノドスに出席している司教らの行列が続いたが、これは第二バチカン公会議初日に参加司教らが荘厳にサンピエトロ大聖堂への入場を行なったことを思い起こすもの。聖書台には、公会議中の儀式に用いられた福音書の復刻版が掲げられた。
ミサの説教で教皇は、この機会に、同公会議を単に記憶に留めるのでなく、公会議の精神に深く入り込み、それを自分たちのものとしながら、その真の意味を伝えていかなければならないと呼びかけた。
教皇は、イエスはキリスト教信仰の中心であり、キリスト者は、神の御顔を啓示したイエス・キリストを通して神を信じるのである、と強調した。
「今日、教会が『信仰年』を催し、新しい福音宣教を提案するのは、公会議開催を記念するためではなく、50年前以上にそれが必要とされているからである」と教皇は述べ、ここ数年間にますます広がった「霊的な砂漠化」を指摘、まさにこの砂漠から旅立つことで、信じることの喜びと大切さを改めて発見できると説いた。
ミサの終わりに教皇は、第二バチカン公会議の公文書と『カトリック教会のカテキズム』を祝別し、信者代表に手渡した。(CJC)