キリスト教功労者 倉松功氏・西原由記子氏を顕彰 キリスト教文化協会 2012年11月10日

 公益財団法人日本キリスト教文化協会(深町正信理事長)は10月23日、教文館ウェンライト・ホール(東京都中央区)で第43回キリスト教功労者顕彰式を行った。

 同賞は日本の伝道、キリスト教教育、社会福祉、文化などの分野で功績のあった人を顕彰するもので、今回選ばれたのは、倉松功(東京神学大学理事長)、西原有記子(元東京自殺防止センター所長)の2氏。

 倉松氏は、東北学院を拠点にキリスト教教育の実践、神学・思想研究、日本におけるキリスト教関係の学会活動に従事指導的役割を果たしてきた。

 西原氏は日本最初の「自殺防止センター」を大阪に創設後「東京自殺防止センター」を新宿に創設。内閣府自殺総合対策推進ワークショップ担当など多くの自殺防止活動に従事している。 

 倉松功(くらまつ・いさお)=1928年高知県生まれ。日本キリスト教神学専門学校(現東京神学大学)卒業後、日基教団信濃町教会伝道師。ハイデルベルク大学に留学、帰国後東北学院大学で教鞭をとり、95年から04年学長。03年から07年学院長。09年から東京神学大学理事長。75年に『ルター神学とその社会教説の基礎構造』により、広島大学から文学博士の学位。東北学院を拠点にキリスト教教育の実践に携り、『宗教改革、教育、キリスト教学校』などの著作によっても指針を示し、キリスト教神学やキリスト教思想の分野ではルターに関する研究書『ルターと現代』ほかを出版、ルターの神学思想の歴史的研究に貢献、今日の諸問題に光をあてた。キリスト教学会活動にも従事し、日本基督教学会理事長、日本ルター学会理事長、キリスト教文化学会理事長を務めた。

 西原由記子(にしはら・ゆきこ)=1933年兵庫県生まれ。57年東京神学大学卒業の年に西原明牧師と結婚。大阪の日基教団島之内教会などで牧師夫人として働く。63年ワシントンでのマルチン・R・キング牧師の公民権法制定を求める全米大会に出席が転機となり、帰国後島之内教会地下ホールを、演劇、歌などを通しての一般市民の交流の場とした。72年関西いのちの電話センターを、島之内教会に創設。78年に大阪自殺防止センターを創設。98年東京自殺防止センターを新宿に創設。99年自殺者遺族のためのエバーグリーンの集いを立ち上げ、コーヒーハウスを運営。「あなたもできる自殺防止活動の実際」ワークショップは毎年全国7カ所で開催。内閣府自殺総合対策推進ワークショップ担当、東京都自殺対策推進委員ほか。多くの要請を受け、研修、講演活動に従事。『自殺する私をどうか止めて』ほか著。

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