聖学院幼稚園創立100周年 〝神さまに喜ばれる子どもに〟 2012年12月1日
1912年に創立された聖学院幼稚園(東京都北区、佐藤慎園長)が創立100周年を迎え、11月17日、創立時に幼稚園が所在した女子聖学院で記念式典と教職員召天者礼拝を行った。園児、保護者、同窓会、現旧教職員など約560人が出席した。
式典では園児によるハンドベルの演奏や賛美が行われた。佐藤氏は園児に向けて、「(聖学院幼稚園は)神さまのお守りがなければ100歳の誕生日を迎えることができませんでした。そのことに、『ありがとうございます』という気持ちを持ってほしいのです」と述べ、「その気持ちを言葉だけでなく、神さまに喜ばれる子どもになることによって表してほしい」「大きくなっても、悲しんでいる人や困っている人がいたら、その人のために自分のできることをする〝優しい人〟になってほしい」と呼びかけた。
同幼稚園は米国ディサイプルス派の宣教師ミセス・プレースによって中里幼稚園として創立され、1943年に女子聖学院付属幼稚園となった。戦争のため44年に閉鎖したが、49年に再開。66年に聖学院幼稚園に改称した。現在新園舎を建設中で、12月20日の完成を予定している。
式典には創立者の孫で映画プロデューサーのグラハム・カリス・プレース氏とビバリー・アーリー・プレース氏夫妻、曾孫のカラ・プレース氏とチェルシー・プレース氏が来日し参列。式の前には園舎を訪れ、園児たちと交流した。
創立70周年の際にも来日しているグラハム氏は取材に応じ、園児たちの印象について、「30年前と比べても子どもは変わっていない。笑顔で幸せそうだ」と語った。ビバリー氏は、「110周年の記念式に戻ってきた時に、ますます幼稚園が成長していたらよい」と話し、カラ氏は、「聖学院が受け継いでいる理念・精神が、100年経っても受け継がれていることに感心した」と感想を述べた。
式の後に東京都文京区の椿山荘で行われた祝賀会には340人が出席。グラハム氏は、「わたしの祖父母はとても道徳的な人たちでした」と述べ、「この人格の強さは、彼らが日本で過ごした時間と聖学院での働きで培われたものだと信じています」と、感謝の意を表した。
卒園生の1人、秋山憲兄氏(元新教出版社取締役会長)は、「聖学院幼稚園100周年記念を心からお祝い申し上げます。今95歳の私が、4歳から6歳頃の幼児のときに就園しました。保母の中澤咲子先生は、山梨英和女学校のご卒業でした。幼い心にイエスの姿を覚えさせ、私の信仰の母親となってくださったことを今でも感謝しています」とのメッセージを同園に寄せた。